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投稿日:2023年10月17日

テーマ: 国語

課題作文が全く書けない人へ

こんにちは、太田 陽光です。
今回は課題作文、あるいは自由記述問題と呼ばれる問題について書いていきます。
(このブログでの表記は、「課題作文」で統一します)

 

課題作文とは、
本文に書かれた内容に対し、
自分の意見を述べたり、
類似する自分の体験を書いたりする作文問題のことです。

 

実際の問題を以下に2つ例として挙げます。

 

あなたが農業を営む場合、有機栽培と慣行栽培のどちらを行いますか。本文をふまえ理由とともに答えなさい。有機栽培と慣行栽培のどちらを選んでも試験の点数に差はつきません。」(栄東中学校 東大特待Ⅰ〈1月12日〉試験 2023年度

「傍線部⑤『本当に必要な知性』とあるが、筆者の考える『本当に必要な知性』とはどのようなものか。以下の条件に従って説明しなさい。【条件】・あなた自身の体験や身近にある内容を具体例として挙げた上で、説明すること(ただし、筆者が本文中に示した例を、単純に他の例に置き換えて述べることは不可とする。・字数は八十字以上百二十字以内とし、段落は作らずに一マス目からつめて書くこと。ただし、句読点、記号等も字数に含むものとする。(法政大学第二中学校 第1回試験 2022年度

 

上記のように、
意見の場合はその理由を書き加えますし、
字数指定された問題も出てきています。

 

このような問題対策としてよく行われるのは、
文章の型を身につける
ということです。

たとえば、

 

1 一文目に意見を書き、
2 二文目に理由や体験を書き、
3 最後にもう一度まとめとして自分の意見を書く。
文章が短くなってしまった場合は、②を二つ書く。

 

という風に、書く要素の順番を決めるという型に当てはめて書くということを、私も教えています。
ある程度文章が書ける受験生は、これを知って、あとは何回か練習をすれば大丈夫でしょう。

 

しかし、理由や体験が全く思いつかない、という受験生は、型を知っても書けるようにはなりません。
このような場合、まず言われることは、
「体験」に関しては、実際に体験していないことを書いてもいい、想像で書いてよい
ということです。
最近の入試では、「体験がないときは、これからしたほうがよいと思うことを書きなさい。」
と親切に問いに書いてくれる学校もあります。
これで書けるようになれば、もう大丈夫です。

 

しかし、これでも全く手が動かないという受験生もいると思います。
本当に全く思いつかないのでしょう。
私は当然だと思います。
だって、体験したことがないことを想像しなければならないのですから。
何もないところからは何も生み出されない、ということです。
しかし志望校で必ず出る受験生はどうしたらいいのでしょうか。
捨て問として、最初からあきらめるべきなのでしょうか。
しかし、課題作文は配転が高そうです…。もったいない気がしませんか。
しかもまだ10月です。入試まで時間はあります。

 

そこで私がお勧めする課題作文対策は

 

模範解答をまねして書くトレーニングを行う

 

です。

 

全く思いつかないなら、今からその発想をインプットすればよいのです。
そのために、まず模範解答を、一字一句変えずに写す
次に、模範解答の一部を変えて残りはそのまま書いてみる
たとえば、「野球」を「サッカー」に、「勉強した」を「旅行した」に変えるだけです。
これは、さきに実際の課題作文問題の例で挙げた「法政大学第二中学校」で不可とされたことですが、
自分で考えて書くことになるので、練習では最適です。
また、一字一句変えずに写すことで、誤字脱字の多い受験生の課題克服のトレーニングにもなりますし、
つながりの良い文章を体で覚えるというメリットもあります。

 

課題作文が全く書けない人が、少しでも書けるようになってほしいと思って書きました。
最初から書ける人なんていない、でも練習すれば書けると信じて頑張ってみてください。

国語ドクター