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投稿日:2023年11月14日

テーマ: 国語

知識問題としての季語の攻略法

こんにちは、太田 陽光です。
今回は季語について書いていきます。

 

中学受験の国語では、韻文と呼ばれる「詩・短歌・俳句」を、特に短歌と俳句を出題する学校は多くはありません。
しかし、慶應中等部大妻中学は、短歌・俳句を含んだ韻文を出題することがあります
慶應中等部では、季語を判断材料として、複数あげられた俳句を季節順に並べる問題が2007年に出されましたし、
大妻中学では、俳句から「麦踏み」という季語を抜き出したうえで、季節を答える問題が2015年に出されました。
また、俳句ではなくても、例えば、慶應普通部では、文章中の「青い麦」という表現から、季節を答える問題が2013年に出されました。
このように、季語は知識問題として出されることもあります。
そのためでしょうか、SAPIXの6年1学期の授業カリキュラムには、韻文が組み込まれています。

 

さて、季語の問題でしっかりと正解するために、どうすればよいかを書いていきます。

 

そのまえにここで、季語の定義を確認します。
季語は、「俳句に一つだけ必ず入れる、季節を示す言葉」です。
なので、日本で暮らしている人にとっては、感覚でわかるものが多いのです。
となると、入試問題に出されるのは、
1 今の季節感と合わないもの
2 季語に含まれた季節とちがうもの
が考えられます。

 

まず①の「今の季節感と合わないもの」について説明します。

季語は旧暦(太陰暦)に基づいて作られているため、
暦に関係する行事は
1~3月→春
4~6月→夏
7~9月→秋
10~12月→冬
の季語になります。
(もっと正確に言うと、立春・立夏・立秋・立冬の後かどうかで、季語の季節が決まります。そのため、立春の前日と決まっている「節分」は、春の前=「冬」の季語となります。)

 

たとえば、「七夕」や、七夕に関係する言葉「天の川」は、現代ですと、夏のイメージですが、
季語としては、7月7日の行事なので、「秋」になります。
また、「端午の節句」や、それに関係する「こいのぼり」・「吹き流し」などは、5月の爽やかな春の日のイメージですが、
季語としては、5月5日の行事なので、「夏」となります。

 

また、暦に関するものではないものでも、今の季節感に合わないものがあります。
たとえば、「朝顔」というと、小学1年生の夏休みの宿題として、朝顔の観察が今でも出されることがあるようなので、夏のイメージですが、
季語としては「秋」になります。

 

このように、今の季節感に合わないものを覚えることが、季語の問題で正解するために有効です。

 

続いて②の「季語に含まれた季節を示す言葉とちがうもの」について説明します。
たとえば、「小春日和」という季語があります。
「春」という季節を示す言葉が含まれていますが、
季節は「冬」です。
冬にまれにある暖かい日のことを「小春日和」と言うのですね。

 

また、「麦の秋」という季語があります。
「秋」という季節を示す言葉が含まれていますが、
季節は「夏」です。
麦の収穫時期が夏ということからなのでしょう。
先ほど挙げた慶應普通部で出題された「青い麦」は、
「麦の秋」が夏の季語だとわかっていたら、答えが推測できるだろう、という学校側の考えが伝わってくるような気がします。
季節を示す言葉が含まれているが、季語の季節は違うものとしては、
「小春日和」と「麦の秋」を覚えておきましょう。

 

季語に関する問題が出される可能性がある学校の対策として書きました。
少しでもお役に立てば幸いです。

国語ドクター