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投稿日:2024年08月09日

テーマ: 国語

【中学受験国語】接続語を理解して読解力をつけよう(その3)

こんにちは、太田 陽光です。
今回は接続語について書きます。

接続語については、すでに2回書いています。
そのブログは以下になります。
その1 https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/oota/21425.html
(要点…空欄の直後の一文の文末に注目することが重要)
その2 https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/oota/21600.html
(要点…空欄の直前が例の場合があるので、筆者の意見に注目してさらに前にさかのぼる)

しかしまた書く必要があると考えました。
その理由は、テストでの接続語問題の正答率の低さです
以下に、いくつかのテストの接続語の問題の正答率を上げます。

SAPIX 6年 志望校判定サピックスオープンA 大問2 問1 A 83% B 78% C 72%

SAPIX 5年 6月度マンスリー 大問3 問1 A 48% B 53%

グノーブル 6年 グノレブ5月度確認テスト 大問4問1 A 92.4% B 55.3% C 74% D 37.2%

接続語の問題での正答率は、前後の読み取りができれば、90%以上は当たり前
70%台になると難問と考えてよいと思います。
しかし、上記の数値を見ると、受験者の半分が間違える(正答率50%前後)問題が出ています。
それどころか、正答率30%台という問題までありました。

この原因と解決策を考えます。

原因としてまず、答えとなる選択肢を逆にしてしまった、ということが考えられます。
SAPIX5年の問題では、しかし(逆接)と、だから(順接)を逆にしたようです。
グノーブルの問題では、つまり(換言)と、また(並立)を逆にした人が多いと予想します。

しかし、SAPIX5年の問題の逆接と順接は、真逆の働きです。
なぜこんな間違いをするのでしょうか?

半分もの受験生が間違えた原因は、

直前しか見ていないこと

が考えられます。
どういう文章だったかを、以下に少し表現を変えて書きます。

現在短距離走は、障がい者よりも健常者の方が速いので、健足も義足も同じ競技として扱われているが、障がい者が勝つようになったなら、その後は別々の競技として扱われるのだろう。 A 僕はその比較には意味がないと思っている。

 

この部分だけを読むと、 A の前では比較をしていて、 A の後では比較は意味がないという筆者の意見が書いてあるから、「しかし(逆接)」が入ると考えられます。
でも、これより前の部分、本文のはじまり(2行目)では、以下のようなことが書かれています。

僕は健足と義足を比べること自体、それほど意味がないと考えている。

この部分を読むと、 A の直前までが、筆者の意見の根拠であり、 A の直後が筆者の意見の繰り返し
だということがわかります。
よって答えは「だから(順接)」となります。

以前書いたブログ「その2」の通り、
やはり、筆者の意見に注目した読み方が、接続語の難しい問題、言い換えれば、差のつく問題では、必要なのです。

今後も、接続語の差がつく問題は出題されるでしょう。
接続語の問題を解いているときに、答えがすぐに出てこないときは、
直前の一行だけを見るのではなく、最低でも空欄の一つ前の段落から読み直すことをしてみてください。

国語ドクター