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投稿日:2024年10月22日

テーマ: 国語

【中学受験国語】超長文物語文問題の時間短縮法

こんにちは、太田 陽光です。
今回は時間対策を目的とした文章の工夫した読み方について書きます。

入試では長い文章を出題する学校があります。
浦和明の星中学では総文字数が例年およそ12000字になるのを筆頭に、
入試問題の字数は1万字前後が珍しくありません。

このような長い文章問題に対し、
当然のことながら、受験生は過去問を使って、時間内に解き終わるのかを確認し、
終わらなければ対策を取っていく必要があります。

対策の必要性の有無の判断方法を以下に示します。
まずは試験時間内どおりに解きます
それで時間内に終われば、時間的には何も問題はありません。
時間内に終わらなかった時には、
時間が来たときに、どの問題まで解けたのかを解答用紙にメモして(線を引いて)おきます
その後、続きを解いていき、すべて解き終わった時間を確認します
そして、すべて解き終わった時間から試験時間を引いた数字を出します
たとえば、試験時間が50分で、解き終わった時間が60分ならば、
60分―50分=10分オーバーしたことになります。
この10分を、次回解くときに短縮することを目標とします
初めての過去問は不慣れなこともあり、時間をオーバーするのはよくあることです。
それが解き進めていくうちに傾向を知ることで、だんだんと時間内に終わるようになっていきます。
しかし、どうしても時間内に解き終えない、時間が10分以上オーバーしてしまう、ということになったら、読み方・解き方・記述の仕方の工夫を考えないといけません。

今回は、その中で、読み方のひと工夫を提案します。

総字数10000字前後の文章を出す入試問題で、私が最近気にしているのが、
文章問題を2題出し、一方がやたらと長い、という字数のバランスがとれていないものです。
麻布中学や駒場東邦中学のような、物語文一題ならば、いくら長くても文章1題に集中して読むことができますが、
フェリス女学院中学のように、物語文は長く、論説文はそれほど長くない、といったときは、
どうやっても物語文に時間を割かなくてはなりません
(かといって、論説文の方が10分程度で読んで解き終えられるというものでもないのが、悩ましいのですが、それでも文章自体は短いので、筆者の主張や結論に注目した読み方を行い、解くときや記述するときにすぐに答えられるようにして、時間短縮を図りましょう)
その場合、物語文では、
見開き一ページごとを目安に、どのような場面であったかを確認していく、ということが役立ちます。
最初のページでは、主人公にどのようなことがあり、どういう気持ちだったが、
次のページでは、主人公に新たな出来事が起こり、気持ちが変わった、
などのように、大まかにおさえていくのです。
そうすることで、問題を見たときに、答えの根拠となる要素がどのあたりに書いてあるかを即座に判断できるようになります。
物語文すべてを一気に読み終えてからだと、どこにどんなことが書かれていたかの記憶が薄れ、
答えの根拠を探し出すのに時間がかかってしまう可能性があります。
その手間を省くことが上記の方法ではできます

実は、物語文⇒長い(10ページ程度)・論説文⇒短い(3ページ程度)、という文章構成は、SAPIXやグノーブルという塾のテストでは定番です。
なので、受験学年ではない5年生以下の生徒で、時間内に終わらず苦しんでいる方にも、有効です

国語ドクター