こんにちは、太田 陽光です。
今回は、物語文の全体把握をできるようにするための読み方について書きます。
国語が苦手な人には、
文章のつながりを考えないで読んでいる人がいます。
私の授業では、物語文で心情を理解するために、
どんな出来事があったかを生徒に聞くことを行います。
たとえば、「彼女は泣いていた」という部分に線が引かれていて、
問題として、「線部のときの彼女の気持ち」が聞かれたとします。
そのときに、「泣いている」から、「悲しい」や「嬉しい」という心情語を想定しつつも決定はせず、
線の直前で、「誰がどうしたのか」を把握する、仮に「彼女の応援しているテニス選手が勝った」だということを把握することで、
彼女が泣いていたのは、「嬉しかった」だとわかる、
という流れで、心情語を理解していきます。
これは、早い段階で生徒もコツがつかめるようです。
しかし、この後に乗り越えるのに苦戦する人もいる壁が待っています。
心情の移り変わり、言い換えれば、文章のつながりです。
たとえば、今理解した「嬉しい」という心情を確認したあとに、
その前の心情、(仮に「自分の応援するテニス選手がピンチを迎え、緊張している」でだったとします)、
を生徒に聞いてみると、答えられないことがあります。
文章をつながりでとらえず、部分・部分細切れにとらえる読み方をしているのだと考えられます。
そしてこの点に、物語文を苦手にしている人が克服するための1つのカギがあるのだと思います。
つまり、読むときに心情をその都度意識させることがトレーニングとして有効なのです。
これまでの例で言うと
まずは、「彼女の応援するテニス選手がピンチを迎え、緊張している」と1つ目の出来事と心情をとらえたら、
「緊張」を強調しながら確認します。
次に「彼女の応援しているテニス選手が勝ったので、嬉しい」と2つ目の出来事と心情をとらえたら、
「嬉しい」を強調しながら確認をします。
これを続けて確認することで、文章のつながりが体得できます。
これは「場面ごとの理解」ということで塾で学ぶものです。
文章を大きくいくつかの部分(場面・意味段落)に分けて読むことで、文章全体把握を行えることを学びます。
言葉で教わってもなかなか理解できないので、今回はその具体的方法を書きました。
このトレーニングを行うときに、一緒に行うと、より国語力がつくことも書きます。
先ほど少しだけ触れたのですが、
「誰がどうした」=「主語+述語」の形で出来事を考えるということです。
文章内容の把握が苦手な人だと、文章をそのまま読んでしまう傾向があります。
その結果、肝心な部分が抜けたり、修飾語の多い出来事の説明を行ったりします。
簡潔に文章を書けるようにするためにも、
できるだけ主語と述語だけで出来事を説明しようとするトレーニングを行うことが役に立ちます。
ぜひ行ってみてください。