長い文章が読めません、、、
問題でとりあげられる文章が長くなると、急に「読めなくなりました」というご相談が増えてきます。時期としては、4年生の後半、5年生の後半に多いご相談です。
そのようなお子さんの問題の取り組み方を見てみると、最初に文章を通読することなく、問題をいきなり解きだしているという場合が多々あります。短い文章の場合、問題を解いていけば一通り文章も読むことになる場合が多く、問題を解きながら文章を理解していくということもできることがあります。
けれども、長い文章の場合、傍線部や空欄の前後だけを見ても解けない場合が増えてきます。文章全体の流れをつかんでポイントを見きわめることが求められてくるのです。
通読するためには、ご家庭では、まず、音読してみることが有効でしょう。読みとおせる程度の文章からはじめて、少しずつ、長い文章を読めるようにしていきましょう。音読することで、読み飛ばし癖を直したり、意味をつかみかねているところは見つけることができます。繰り返す場合は、スピードを上げるとか、場面をイメージしながら読むとか、変化をつけることで学習効果をあげることができます。
この通読の目的は、「話全体」をつかむということです。話全体を一つの単位として、まとまりとつながりのある理解を形成することが最終的な目的です。とは言え、実際の問題取り組み場面では音読はできません。では、黙読の場合にはどのようなことに気をつければよいでしょうか。
黙読では、音読よりも集中力が途切れやすく、一度集中が途切れてしまうと漫然と戻り読みをしてしまうなど、一気にスピーディーに話全体の流れをつかむことができにくいこともおこります。
そのような場合、指やエンピツで文章をたどりながら読んだり、印つけや線引きを行いながら読むという作業を行うことが有効です。文章を読解するてがかりを自分で探し、見つけながら読み進むことで、読みが能動的になり、効率的に理解を形成することが期待できます。
大切なのは、文章全体の流れとつながりをつかむ力を育てることです。部分部分の読解力のトレーニングに加えて、文章全体の雰囲気・空気を読み取る力をつけていくことで、設問の難化・深化に対応する力を養いましょう。