覚えるのが苦手!と言い切るお子さんがいます。
ただ、「これを覚えなさい!」と言っても固まってしまって全く覚えられないタイプです。
覚えられないものは、いつまでたっても、時間をかけても頭に入らない、ように見えるのです。
最近も、「難しい漢字の読みが覚えられない、、、」というお子さんの訴えがありました。
よし、何とかしよう、ということで、練習をはじめました。
口調(くちょう)、気配(けはい)、納得(なっとく)、順調です。
形相?けいそう? 、それは、哲学用語ではそう読むこともあるけれど、顔つきを表す時は(ぎょうそう)だから。
形相(ぎょうそう)、境内?きょうない?、それは、知ってて欲しいな。境内(けいだい)、お寺や神社の敷地の中のことだね。
境内(けいだい)、雑木林(ぞうきばやし)、都合(つごう)、留守(るす)、
分別(ぶんべつ)、、、それは、ごみなどを種類によって分けるときの読み方として、あり、だけど、問題では、「分別がつく」とされていて、判断力を表す言葉として使われているから、「ふんべつ」と読みます。
成就?せいしょく?、いろいろ違うね、願いとかがかなったり、何かを達成することを表わしていて「じょうじゅ」と読むんだよ。
若干?わかせん?、、、少し、という意味で「じゃっかん」と読むんだよ。
さて、これは、何と読むんだったっけ、「形相」、、、けいそう!、、、そうだったっけ?そう読んで間違いだったよね。
う~ん、じゃあ、けいそう?、、、変わってないでしょ。
忘れた。、、それは、顔つきを表して「ぎょうそう」と読むんだよ。あんまり間違えると先生も鬼のような形相になっちゃうよ。
わかった、ぎょうそう!
では、これは?「境内」、、、きょうない!、、、さっきもそれで間違えたよね、、、お寺や神社の敷地で「けいだい」。
わかった、けいだい!
では、これは?「成就」、、、せいじゅう!、、、少し近づいたけど、「じょうじゅ」だからね。
うん、じょうじゅ!
次は、「若干」、、、じゃくせん!、、、これも少し近づいたけど、「じゃっかん」だね。若干名っていったら何人くらい?
ええと、2~3名? そう!! 意味は覚えたね。で、「若干」はどう読む?
じゃっかん!! はい、OK。
さあ、がんばろう。「形相」はどう読む?
け、け、けい、、、いや、ええと、、、忘れた。、、、それは「ぎょうそう」だよね。
あれぇ、覚えられないなあ(苦しむお子さん)。、、、ここであきらめてはいけません。
これは?「境内」、、、けいだい!、、、よし、覚えた!
これは?「成就」、、、、、、じょうじゅ!、、、覚えられた!
これは?「若干」、、じゃっかん!、、、よし!
で、これは?「形相」、、、、、、、ぎ、、ぎょうそう、、、?、、、そう!ぎょうそう!!
実際には、もう少し手間がかかっておりますが、10回くらい繰り返すことで覚えきることができました。
このお子さんは、覚えられないのではなく、覚えきる、という作業をしていなかったようです。
適当な量を決めて、覚えるまでがんばれば、壁は乗り越えられます。
一回、壁を突破すれば、二回目以降の手間ひまは、かなり軽減していくことができます。
覚えきる目標の量を小分けにすれば、時間はそれほどかかりません。
また、すでに覚えていることも組みこんで行きましょう。
一回覚えたことを復習することで、覚えられた、という自信をもとに新しいチャレンジができます。
覚えきった(覚えられた)という小さな成功経験を積み重ねて自信をつけていくこと、
まずは、お子さんが「できた、できた!」と感じられる所まで辛抱強くつきあってあげることで、「覚えられない病」は回復していく可能性があります。
「できる」と信じて、「できるまで」、応援しながら「待ってあげる」ことで、お子さん自身の力が飛躍的にのびることがあります。
そんなことを再確認した日でした。