田中3きょうだい
体操の田中3きょうだいのロンドンオリンピック代表決定、すばらしいことですね。
さて、この報道、新聞等で、「きょうだい」と表記されています。
「きょうだい」を漢字に変換すると、「兄弟」が第一に、また、「兄妹」、「姉妹」なども変換候補にあがってきます。
「姉妹」の場合は、「しまい」と読むことが普通ですね。
欧米の言語では、だいたい、男きょうだいと女きょうだいを単語として区別します。年が上か下かを一単語で区別することはできません。
日本語では、兄・姉、弟・妹と、性別だけでなく年上年下まで一単語で区別できるので便利です。
ただ、漢字の熟語にするときには複雑になってしまいます。
「兄弟」を兄・姉・弟・妹を表す熟語の代表としてしまうと、姉妹が軽視されてしまうような印象にもなります。
かといって、常に「兄弟姉妹」とするのも少し手間がかかりすぎます。
そこで、漢熟語を使わず、ひらがなの「きょうだい」で「兄弟姉妹」を表すことになったようです。
田中3きょうだいは、和仁、理恵、祐典(敬称略)です。
理恵さんは、和仁さんから見ると妹、祐典さんから見ると姉になります。
漢字で正確に表すと「兄妹姉弟」ということになりますか。
流れとして、兄弟姉妹をあらわす語としては(略語?)、ひらがなの「きょうだい」を使っていくことになりそうです。
話し言葉で、「ごきょうだいはいらっしゃいますか?」と聞く(聞かれる)ことがあります。この場合もひらがなの「きょうだい」と理解して、「姉妹ならいますけど!」などと険のある答え方をしてしまわないようにしたいところです。
なお、国語の問題では、時折、「ひらがなで表記されていることの意味」、「カタカナで表記されていることの意味」が問われることがあります。
登場人物の発言や気持ちが通常は漢字で表記されるところがひらがなで表記されているときは、可能性として、1、その人物が、まだその漢字を知らないということを表している場合、2、意味内容が難しいことばの場合、ことばの意味を知らない、3、それ以外に何らかの理由があってひらがな表記している、などが考えられます。
漢字で表記できるところをカタカナで表記している場合は、表現している人にとっては知らない言語のことばと同様に、「意味がよくわからないでいる」、「意味を正確に知らずに使っている」という可能性があります。
文字表記にも敏感に反応できるように、ことばの感覚を磨いていきましょう。