夏の間の国語学習は、何を使ってやれば良いでしょうか?
と、よく、ご質問いただきます。
その背景に、何か新しいものを使えば、画期的に力をつけることができるのではないか?という気持ちが感じられます。
けれども、私は、新しいものを使うことは原則としておすすめしません。
その理由を説明します。
塾に通われている場合、夏期講習で単元が進むこともありますが、大体の場合、内容は、これまで学んできたことの復習です。夏期講習の主眼は、年度前半までの学習項目の復習なのです。
であるとすれば、新しい教材を使うことに意義はあるでしょうか?これまでの教材が十分消化されていれば、同じものを使うことの意味は少ないでしょう。しかし、消化不良の単元や、苦手分野の積み残しがあることの方が多いのではないでしょうか。確実な定着のためには、教材をしぼって、繰り返しながら理解度をあげること、同じ教材を使いながら未消化の部分を減らしていき、多角的なチェックをすることの方が、効果的です。何より、教材を増やさないことで、受験直前の限られた期間に見直すもので迷わなくて済むようになります。
特に6年生は、いろいろ焦って手を広げることは禁物です。直前期の学習に集約できるような形に教材を絞り込み、まとめこむことを心掛けましょう。これまでに使用してきた教材やノートを見直して、散らばってしまっている技法や注意点をまとめ、コンパクトな形にしておきましょう。
これまで使ってきた教材にどうしても不信感がある場合などは、各科の講師にご相談なさればよいでしょう。乗り換える必要があるかどうか、他教材から部分的に補う程度で足りるか、助言が得られるはずです。