こんにちは!受験ドクター国語科のS.M講師です。
ドクターでは日々、夏期講習の授業を全力で行っているわけですが、
世間の小学校は現在夏休みですね。
夏休みといえばどこかに出かけることもありますが……
受験生の今年だけは我慢!というご家庭も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、ちょっとした息抜き代わりに皆様を
にご招待したいと思います!
…つまり、
動物の登場することわざ・慣用句をご紹介します!
「犬も歩けば棒に当たる」
もともとは「余計なことをしたせいで、痛い目にあってしまう」
という意味だったのですが、近年では
「積極的に行動したことで何かいいことに出会う」
という意味で使われることが増えているのだそうです。
「犬が西向きゃ尾は東」
……そりゃあそうでしょうよ。と思った方、それで正解です。
「ごく当たり前のこと」という意味です。
「飼い犬に手をかまれる」
「かわいがっていた相手や信用していた相手に裏切られること」。
「犬」は、ことわざの世界では「飼い主に従う、忠実な性格の生き物」として
登場することが多いようです。
今回は三種類のことわざを比べてみましょう。
①猫に小判 ②猫にマタタビ ③猫にかつおぶし
①猫に小判はご存知の人が多いかと思われます。
「良いものでも、その価値をわからないものにあげても役に立たない」
という意味ですね。
では、マタタビとかつおぶしは……?
実はちゃんと、別々の意味があるんですよ。
②猫にマタタビ
→大好物であること。または、それを与えたら効果が大きいと予想されること。
③猫にかつおぶし
→猫の大好物であるかつおぶしを猫の目の前に置いておけば、
猫がかじってしまうのは当たり前なので、そんなことはやめた方がいい。
→「危険な状況であること。安心できない状態であること。」
前半の「好物だ」というところまでは共通しているのに、
かつおぶしにだけ何やら教訓めいた後半がくっついています。
問一
では、この違いはどこからくるのでしょうか。
解答例
かつおぶしは、自分たち人間も必要とするため、猫にかじられては困ると考えているが、
マタタビは、人間は必要としていないので、猫に与えても困らないと考えているところ。
昔は現代のように削り節のパックが販売されていたわけではないので、
自宅に鰹節がそのまま保管されていたのでしょう。
うっかり猫に見つかって騒ぎになってしまい、
「そんなところに置いておいたせいでしょ!」「ごめん……」という経験から、
ことわざとして残ったのでしょうね。
猫にまつわることわざは他にもありましたが、基本的には猫という生き物は
「気まぐれな存在」というイメージで用いられているようです。
馬にまつわることわざは、実はとてもたくさんあります。
今回の記事のために使ったことわざ辞典では、なんと犬よりも掲載数が多いのです。
(本記事では 学研辞典編集部編『学研 用例でわかる故事ことわざ辞典』を参考にしています)
「馬の耳に念仏」「南船北馬」あたりは塾の勉強で覚えたかと思うのですが、
ここでまたまた(今回さすがに最後の)問題です!
「馬の足」「馬脚」とは、人間をたとえて使う言葉ですが、
いったいどのような人を表すときに使われるでしょうか?
正解は、
「演技のへたな役者」です!
歌舞伎などの演劇では、武士が登場することも多く、そうなると「馬」が必要になります。
かといって、本物の馬を連れてきて筋書きに合わせて歩かせる…のは困難。
そして当然、今のように機械を使うこともできなかったため、
「馬」が必要な時には、作り物の馬(の上半身)をかぶった二人の人間を使っていたのです。
人気のある役者さんは当然普通の人間役として出演しますから、
この「馬の足」係は新人や、下級の役者が担当していたことになります。
そこから「馬の足」だけで、そういった役者を指すようになったのですね。
「馬脚を露す(ばきゃくをあらわす)」という言葉も、その役者さんがお芝居中に
自分の姿を見せてしまうという失敗から生まれた言葉です。
意味は「隠していた正体がばれてしまうこと」。
……というわけで、はいかがでしたでしょうか。
単純に語句と意味を照らし合わせて暗記するよりは、
由来なども調べながら覚えた方が楽しく、忘れにくいのでオススメです♪