こんにちは! 受験ドクター国語科のS.M講師です。
本日12月11日は、北村季吟(きたむら きぎん)の誕生日です。
…と言われても、「誰?」と思われる方のほうが多いのではないかと思いますが、
季吟は江戸時代の素晴らしい古典学者であると同時に、歌人・俳人でもあった人物です。
…まだピンと来ませんよね。
ずばり、この季吟さん。
松尾芭蕉の先生だった人なのです!
というわけで今回は俳句のお話です。
あまり頻繁に出題されるものではありませんが、最低限の知識は持っておくと
中学入試に限らず、国語人生において、あるいは日本文化を知る個人として、有益だと思います。
俳句とは?
・五・七・五の十七音からなる、日本の定型詩です。
なんと、世界最短の定型詩であると言われています!
・基本的な俳句においては、季語を入れることになっています。
季語は歳時記という書物にまとめられています。
「プール」「冷房」「クリスマス」など、現代の言葉も追加で収録されています。
注意しなければならないのは、季節の行事です。
俳諧、歳時記といったものが成立したのは江戸時代。
まだ太陰暦(正確には太陰太陽暦)を用いていた時代です。
現在のカレンダーとは、およそ一か月のずれがあるとされています。
たとえば本日、2018年12月11日は、昔の日本の暦の上では11月5日です。
現代の感覚からすると不思議な感じですね。
そして、旧暦の世界では、季節の分け方も今とは異なります。
「えっ?」となるかもしれませんが、今でもお正月に「新春」という言葉を使ったりするなど、
当時の言葉の使い方の名残は見ることができます。
さて、それでは以上のヒントをもとに、実際に季語のもつ季節をあててみましょう!
次の季語はそれぞれ、どの季節のものでしょうか?
① 七夕
② ひなあられ
③ 七五三
④ こいのぼり
正解は……
① 秋 ② 春 ③ 冬 ④ 夏
です!いつやるものなのかが分かっている年中行事に関する季語は、
上記の季節の分け方を覚えておくだけで、対応することができますね。
では以下の季語はどうでしょうか?
⑤ 昼寝
⑥ 羊の毛刈る
⑦ ふとん
⑧ 障子(しょうじ)洗う
正解は、
⑤ 夏 ⑥ 春 ⑦ 冬 ⑧ 秋
です!
「障子洗う」が秋の季語であるのは、夏の間にしまっておいた障子を貼りかえることからきているそうです。
エアコンのなかった昔の人たちは、家の中の障子を取り払うことで風通しをよくし、
夏の暑さをしのぐための工夫としていたのだそうですよ。
ちなみに風変わりな季語と中学入試、といえば平成二十八年度(2016年度)灘中が話題になりました。
ぜひご紹介したいところですが、長くなりますのでこれはまたの機会にご紹介できればと思います。
興味のある方は調べてみてくださいね!
あ、タイトルの「山笑う」は春の季語です。
言われてみれば、なんとな~く分かる気がしてしまいませんか?
詩の言葉の面白さを実感できる、大好きな季語なのでした。
ではでは!(・ω・)ノシ