こんにちは! 受験ドクター国語科のS.M講師です。
とうとう10月も終わりますね。2月1日まであと90日と少し……。
過去問演習に入り、それぞれの学校の特徴もつかんできているのではないでしょうか。
さて、過去問に入ってみてから「今までの教材と比べて論説文が難しい…」と
苦しむお子さんを例年見かけます。
確かに、難しい文章が多い!
入試問題で使われる論説文は、よくて中高生向け。
大人が読む新書レベルのものも当然のように出題されます。
それを限られた時間で解読し、問題にも取り組まなければならないわけですから、大変ですよね。
今回は、そんな難しい論説文をなんとか解読するための「かみくだき方」のひとつをご紹介します。
その名もずばり、
「いらないところをすっ飛ばし法」
です。
過去問と格闘中の6年生だけでなく、
徐々に論説文の難易度が上がってくるこの時期の5年生にも役立つ内容だと思います。
ではやってみましょう!
【問】筆者は、議論ではどうすることが大事だと考えていますか?
★考え方★
①「~ではない」と打ち消されている表現を省く。
もちろん文章として書かれている要素である以上、本来はどんな内容も無視してはいけません。
ただ、あくまで「難しすぎて内容が理解しきれない」場合に限っては
「筆者が~ではないと打ち消している部分はいったん読み飛ばす」という方法を使ってしまいましょう。
②「もちろん○○、しかし(逆接)」の○○部分を省く。
この○○の部分は一般論であったり、想定される反論であったりするのですが、
こういう言い回しで登場する○○は筆者の主張には反する内容であるのがお約束。
つまり基本的にこのあと打ち消される運命にあります。
ということは、この○○部分も①の仲間であるということになりますね。
③強調しているワード、断定している表現をチェック!
「重要だ」「大切だ」「必要だ」「~すべきだ」「~と思う」「~と考える」
筆者がこうだ! と主張している部分には着目することが、論説文を読むときには重要ですね。
以上の3つの考え方を用いて、先ほどの文を再度見てみましょう。
【問】筆者は、議論ではどうすることが大事だと考えていますか?
【答】自分の個人的な体験をベースにして、主観的な意見を述べること。
筆者は決して、意見の客観性がまったく必要ないと言っているわけではないのです。
が、今、この文章においては「主観的な意見を述べることの大切さ」について語りたいんだな!と
一番大切な部分をしっかりと読み取ることが必要です。
おそらく多くの大人は無意識に、この「筆者が大事だといっているところを重点的に読む」読み方を
行っていると思われます。それゆえに「なんで我が子がこの文章の意味を理解できないのか
逆にその理由が理解できない……」と困惑されるお父様、お母様もいらっしゃるのかもしれません。
でも小学生はまだ「難しい文章初心者」なのです。
すべての内容をべたーっと均等に、完璧に理解しようとしていては、
いくら時間があっても足りませんし、
そもそも小学生が大人向けの文章を十割理解することなどほとんど不可能です。
注目すべき場所を発見するためのテクニックを身につけて、
オイシイところをばっちりつかみとることが、難解な文章を解く上でのポイントです♪
ご家庭での過去問やテストの振り返りのときに、是非活用してみてくださいね。
それでは、また(・ω・)ノシ