こんにちは。 受験ドクターの坂井です。
いよいよ梅雨の時期がやってきますね。
じめじめ~と湿度のたか~い日々が続くのです。
そしてこのじめじめ~とした空気を感じると毎年思うのです。
梅雨が明けると夏がくる~。
受験の天王山である、夏がくる~ と。
今から身の引き締まる思いです。
ドクターの先生たちは皆さんを全力でフォローしていきます!
まもなくやってくる天王山を一緒に登りきりましょう!
さて、今回は、場合の数の単元から「ご石を並べる問題」を
みなさんと一緒に考えていこうと思います。
ご石を並べる問題は得意!という人もぜひお付き合いいただき、
一緒に確認していこうではありませんか。
① 1、2、3、4の整数を並びかえてできる4けたの整数は何通りありますか とか、
② A~Hの8人からお買い物にいく3人のメンバーの組み合わせは何通りありますか
などの問題はすぐに答えられる生徒も多いのではないかと思います。
① は並びかえの問題で、 4×3×2×1=24通り。
② は組み合わせの問題で、8×7×6÷(3×2×1)=56通り。
これらの問題は、練習を積んですぐに答えられる生徒は多いでしょう。
今回お話しする場合の数は、上の①や②よりも
考え方の工夫がちょっと(ホントにちょっと)必要な問題
を取り上げてみようと思います。
どこにでもあるような問題ですが、こんな問題はいかがでしょう。
問題:白いご石が5個と黒いご石が2個あります。これらのご石を並べます。
(1)並べ方は何通りありますか。
(2)(1)の並べ方のうち、黒いご石2個がとなり合わない並べ方は何通りありますか。
(1) はすぐに答えられますね。
全部で7個のご石を置くのですが、置き場所7か所から黒いご石2個の置き場所を2か所選ぶ組み合わせを答える問題です。
21通り
では、(2)の問題はどうでしょうか。
一瞬 う~ん・・・ と考えてしまった生徒はぜひ一緒に考えましょう。
ポイントは並べ方に条件のない白のご石を先に並べること!!です。
白いご石を先に並べて、
そのあと黒いご石の置き方を考えてみましょう。
実は、全体の並べ方の21通りから黒がとなり合う並べ方の6通りをひくという
余事象という考え方もあるのですが、今回は余事象を用いずに考えてみます。
こんな感じです。
白いご石を先に並べると、
黒いご石を置いてよい場所は下図のア~カのどれかになります。
ア、イ、ウ、エ、オ、カの6か所のうち2か所に黒いご石を1つずつ入れていけば、黒いご石が絶対にとなり合うことはありません。
よって
15通り
どうです?
考え方はわかりましたか?
このような考え方は場合の数において、工夫がちょっと必要な典型的な問題です。
では、もう少しこれを応用して考えてみましょう。
え~い! 黒のご石を1個増やしました!
こんな問題です。
問題:白いご石が5個と黒いご石が3個あります。これらのご石を並べます。
(1)並べ方は何通りありますか。
(2)(1)の並べ方のうち、黒いご石どおしがとなり合わない並べ方は何通りありますか。
(1) は全部で8個のご石を並べる場所8か所のうち、黒のご石を置く3か所を選べばよいので
56通り
これは、自信をもって答えることができたのではないでしょうか。
では、(2)はどうでしょうか。 う~ん・・・って考えちゃいます?
そうです。
“並べ方に条件のない白のご石を先に並べる”んですよね。
白のご石を先に並べて、
そのあと黒のご石を置く場所を考えます。
こんな感じです。
(2)
黒いご石がとなりあわないように並べるので、黒のご石をア~カ6か所うちのいずれか3か所に1つずつ置いていけば黒いご石が絶対にとなり合うことはありません。
よって
20通り
どうでしたか?
黒のご石が3個のときでも、黒のご石が2個のときと同じように考えることができますよね。
これで黒のご石が何個に増えても、解けそうな気がしてきませんか。
ぜひ考え方を練習して、解けるようになってほしいと思います。
もう一度ポイントをお伝えします。
並べ方に条件のない白のご石を先に並べる!!です。
解法や考え方の突破口がわかると解ける問題が多くなります。
難しい問題でもその突破口が見つかれば解決できる可能性は高くなります。
今回お話しした、ポイントを思い出しながら、もう1題考えてみましょう。
平成30年度 麻布中の問題(改題)です。 試験時間の制約のある中、樹形図で解くと
かなり時間を要することになるやっかな問題でした。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
H30 麻布中[3](3)(改題)
○8個と×4個並べるとき、並べ方は全部で何通り考えられますか。
ただし、○が3つ以上連続して並ぶことはありません。
※ 〇が3つ連続しないように〇の置き場所を決めていきます。
まず×を4個並べて、そのあと〇の置き場所を考えます。
① ア~オの5か所のうち4か所に〇が2つずつ入り、
どこか1か所は〇が1つも入らないという置き方は5通り。
② ア~オの5か所のうち、3か所に〇が2つずつ入り、残りの2か所に〇が1つずつ入る置き方は、
ア~オの5か所のうち〇が1つずつ入る2か所を選ぶ組み合わせだから、
10通り
したがって、 5+10=15通り
どうですか。答えまでたどり着けた人もいるのではないでしょうか。
最初に紹介した2題の問題は、練習すれば
すぐにマスターできると思います。
簡単な問題のように思えますが、
その考え方を通して応用問題が解ける
ことにつながっていきます。
受験生のみなさん、
あわてず、どっしりと構えて学習に取り組んでくださいね。、
では、みなさん
また、お会いしましょう。