みなさん、こんにちは。
受験ドクターの坂井です。
今回は、正多角形の対角線によってできる交点の数を求めてみようというお話です。
ただし、ここで扱う正多角形は奇数角形です。
例えば、正五角形とか正七角形とか正九角形・・・とか。
では、問題を通してお話をすすめていきましょう。
正九角形に対角線を引いたとき、それによってできる交点の数を求めなさい。
まず、正九角形に対角線を引くと図1のようになります。
解法の1つとして実際に正九角形に対角線を引いてみて、その交点を実際に1つずつ数えていくという方法があります。
でもそれはやりたくないですよね。
図1の対角線をかくこと自体遠慮したいところです。
ましてや、それでできた交点の数を数え上げるなんて・・・・。
いやですよね。気が遠くなります。
では、1つ数を下げてみましょう。
正七角形くらいだったら
数えることができるかもしれません。
正七角形は、こんな感じです。図2を見てみましょう。
う~ん・・・
これくらいなら数えられるかな・・・といった
ところでしょうか。
気合いと集中力全開で・・・
えいっ! 35個!
数えました~!!
これでもいいのですが、実際に数えるには限界があります。
実は、計算で求めることができるんです。
計算で求められる仕組みのお話をもう1つ数の少ない正五角形を用いて説明していきます。
実際に対角線をかいて交点を作ってみると上の図3-1~5のように5個あることがわかります。
図3-1は4点(A,B,C,E)のACとBEを結んでできる交点です。図3-2は4点(A,B,C,D)のACとBDを結んでできる交点であり、図3-3、図3-4、図3-5のいずれも4点を取ってその対角線を結んでできる交点となっています。
つまり、5つの頂点から4つの頂点を選び、その組み合わせの数だけ交点が存在することになるのです。
ですから正五角形の場合、5つの頂点から4つの頂点の選び方と同じ個数、
すなわち、5個 ということになります。
同様の考え方で正七角形の対角線の交点を求めてみましょう。
7つの頂点から4つの頂点を選ぶ組み合わせを求めればよいので、
よって 35個となります。
それでは、いよいよ正九角形の対角線の交点の数を求めてみましょう。
考え方がわかってしまったらもう簡単ですね。
そうです。9個の頂点から4個の頂点を選ぶ組み合わせの数を求めればよいのです。
よって、正九角形に対角線を引いたとき、それによってできる交点の数は 126個となります。
このような考え方は、奇数角形の場合においてのみ適用されます。
なぜ偶数角形の場合が適用されないかというと、図4、図5のように1つの交点に3本以上の対角線が通ってしまうからです。
つまり、図4において青点の交点は、(A,B,D,E)(A, C, D, F)(B, C, E, F)のいずれの4点からもできる交点なので、6つの頂点から4つの頂点の選び方の方法だと重複(2回多く数えている)して数えてしまうことになるのです。
よって正六角形の対角線によってできる交点の数は13個になります。
図5の正八角形はさらに複雑になりますのでやめておきますね・・・。
という考え方は、奇数角形についてのみの考え方であるということに注意してください。
それでは、またお会いしましょう。