みなさん、こんにちは。
受験Dr.の坂井です。
今回は、和分解を中心に、ボールの箱への入れ方について考えていきます。
和分解は、受験算数が学習していくうえで避けて通ることはできない重要な考え方です。
ぜひ得意分野にしていただきたい学習内容です。
和分解について考察していきますが、題材として、5個のボールの3個の箱への入れ方について
考えていくことにします。
本質が理解できれば、いろいろな問題に応用することができます。
特に5年生はこの機会に理解を深めて、受験学年である来年の学習に弾みをつけて頂けたら幸いです。
では、こんな問題。
5つのボールをA, B,Cの3つの箱に入れていきます。
ボールの入れ方は何通りありますか。ただし、空の箱があってもよいものとします。
考え方1
まず、3つで合計が5になるように分解していきます。
つまり、A、B、Cの箱に入っているボールの数の合計が5個になるように分けることを意味しています。
(5,0,0)
(4,1,0)
(3,2,0)
(3,1,1)
(2,2,1) 以上、5種類の分解の仕方になります。
和分解を行う際に、もれなくすべての種類を書き出すポイントは、左を最大の数から調べる場合、右の数が同じか小さくなるように調べていくことです。
例えば(4,0,1)は0の右隣りの1が中央の0より大きくなっています。そのような場合は、もう既に調べてある種類であるということになります。そこに気をつければ重複することはありません。
さて、5種類の分け方があるということが分かったわけですが、次はどの数が箱A,B、Cに振り分けれれるかを考えていきます。
1 ではAに5個、Bに0個、Cに0個の場合、Aに0個、Bに5個、Cに0個の場合、Aに0個、Bに0個、Cに5個の場合 と3通り考えられます。
同様に②~⑤もA、B、Cへの振り分け方を考えてみると
1 (5,0,0) ⇒ 3通り
2 (4,1,0) ⇒ 3×2×1=6通り
3 (3,2,0) ⇒ 3×2×1=6通り
4 (3,1,1) ⇒ 3通り
5 (2,2,1) ⇒ 3通り 合計21通りとなります。
考え方2
下図のように、5個のボールのあいだに仕切り版を設置できるようにします。
6か所うちいずれか2か所に仕切り版を入れて3つに分けるという方法で考えてみましょう。
入れ方は次に示すように15通りあります。
6か所のうち仕切りを入れる2か所を選ぶ方法は
6×5÷2=15通り と計算で出してもよいです。
さらに、仕切りを一か所に2枚入れる方法を考えると
次の6通りが考えられます。
よって15+6=21通り と求めることができます。
考え方3
【考え方2】は結局、2枚の仕切り版と5個のボールの並び替えであると考えることもできます。
つまり、仕切り版2枚、ボール5個の置き場所のうち、仕切り版2枚の置き場所を決めるという考え方になるわけです。
7×6÷2=21通り となります。
【考え方1】~【考え方3】の3つの方法を見てきましたが、まず【考え方1】の和分解をしっかり書き出せるようにしてください。
和分解は今回の問題に限らず、いろいろな場面で必要になる手法だからです。
その後、ぜひ【考え方2】【考え方3】について興味を持って学習して頂けたら幸いです。
それでは、みなさん。
またお会いしましょう。