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投稿日:2024年07月12日

テーマ: その他

【中学受験】過去問の取り組み方

皆さん、こんにちは。
受験Dr.の坂井です。

まもなく夏期講習期間が始まります。
受験生にとってとても大事な時期であることは皆さん重々ご承知のこと思いますが
今回は、夏期期間が終了した9月以降に始まる過去問演習についてお伝えしていきます。

過去問の開始時期、過去問を何年度分解けばよいのか、演習のペースは? などのお問い合わせをよく受けます。
そういった過去問の取り組みについてお伝えしていきますので是非参考にしてみてください。

 

過去問の開始時期

過去問の開始時期は9月以降です。夏期期間で一通り単元学習の総復習を終えてから取り組んでも十分間に合います。
夏期前や夏休みから開始する受験生もいますが、多くの受験生は夏期期間に過去問にとりかかる時間を確保することが難しいです。夏期期間は、夏期講習の復習にじっくり時間をかけ、弱点の克服に専念してください。

 

何年度分解けばよいのか

第1志望校で5年~10年度分、第2志望や第3志望はその半分くらいが目安だと思います。中には15年~20年度分解いた方がよいのではという質問を受けることがありますが、あまりにも昔の問題を解いても大きく出題傾向が変わっているケースもあり、それだけの量を解く意味をなさないこともあります。解いてはいけないということはありませんが、まず1校でそれだけ多く過去問を解く時間が取れないといった場合も多いのではないでしょうか。それでは、1年度分解くのにどれだけ時間を必要とするかを見ていきましょう。

 

過去問1年度分取り組むのに必要な時間

まず、各教科を解く時間が必要です。国語、算数であれば50分~60分。理科、社会であれば20分~30分です。これらは各学校の試験時間によります。解き終わったらすぐに採点します。採点も30分くらいはかかってしまいます。そして何より重要なのは、「解き直し」です。この「解き直し」は算数だけでも問題を解くのにかかる時間以上に時間を必要とする場合が多いです。例えば試験時間が60分であればその解き直しに60分必要ということになります。したがって、4教科で考えた場合、「解き直し」まで考えると5~6時間かかることになります。では、この時間数をどこで捻出するのかということになります。

 

過去問は1週間のうち、いつ取り掛かるのか

過去問1年度分にかかる時間は「解き直し」まで含めると5~6時間はかかります。ですから1週間に解くことができる過去問は1年度分、多くても2年度分です。では、日々の塾の復習や弱点補強に時間がとられる中、いったいいつ過去問を解く時間をつくればよいのでしょう。9月以降、大手塾では日曜には授業があることが多く、授業がない場合でも模擬試験が実施されます。9月以降で丸々1日授業やテストがない日は数えるほどしかありません。
では、いったいいつ? じつは4教科まとめて解かなくてよいのです。土日、平日問わず、すき間の時間で各教科をそれぞれ解くといった感じになります。9月以降、塾の授業やテストが何もない日が数日あります。それらの日を利用して、入試本番と同じように朝から開始し、教科間の休憩時間も本番と同じようにとり、4教科通しで解く練習をするとよいでしょう。

 

過去問の取り組みでやってはいけないこと

過去問を取り組む際にやってはいけないこと、それは解きっぱなしにすることです。過去問を解いた際は、必ず「解き直し」をしてください。それをやらずに別の年度の問題を新たに解き始めると、弱点の補強がなされないばかりか、出題傾向、合格にあと何点必要か、どの問題だったら解けていたはずだ、どれが捨て問になるのかなどといった合格するために必要な問題研究ができないことになります。「解き直し」をしないと、解きっぱなしをくり返してたくさん過去問をこなしても点数が全く上がっていかないという現象が起こります。

 

過去問を解き始めたときの得点率

過去問演習を開始しはじめたばかりのとき、どのくらい得点できるのか。驚くほど点数が取れないケースが多いです。合格する受験生でも過去問をときはじめて数年分は3~4割しかとれないといったことがよくあります。それは、まず難易度に慣れていないこと、時間配分がわかっていないことが原因です。入試の合格点が7割程度であるとした場合、9月~10月の時点で4割程度の得点できていれば、安心はできませんがあわてる必要はありません。日々の過去問演習でしっかり「解き直し」を実施していくことによって、難易度に慣れ、時間配分もわかってくるので少しずつ得点も上昇していきます。さらに弱点分野も判明してくるのでその分野の弱点補強もなされていきます。11月~12月頃には、あと何が足りないか、あとどれくらいで合格できるかがわかってくるので取り組まなければいけないことも明確になってくるでしょう。一方、得点が全く上がっていかない場合は、志望校の変更を考える必要が出てきます。

 

模擬試験との関連性

模擬試験では合格可能性が判定されます。合格可能性40%がついていれば、合格できる可能性はあります。
過去に担当した生徒でも秋から直前期の模擬試験で合格可能性40%で合格した受験生は多くいます。それら受験生の共通点は最後の最後まで粘って粘ってあきらめなかったことです。模擬試験は入試問題ではありません。あくまでも目安です。そして12月にすべての模擬試験が終わった後の本番までの時間、受験生は最後の最後まで合格のために努力します。この期間に実力を上げていく受験生も多くいます。

 

 

過去問に関して受けるお問合せ内容についてお伝えしましたが、あくまでもこれは一般的なものです。個々の受験生における状況は時期によって様々です。今、この受験生にとってベストな方法は一般的なものではないが、
戦略的に考えるとこの方がよい、なんてことはよくあるものです。例えば、受験本番までの残りの時期を考えたとき、理科の対策のため理科だけ先に2年度分解きましょうとか、先にこの○○年度の問題を解いてくださいとか。

9月より過去問演習が始まることを認識しつつ、まずはまもなく始まる夏期講習期間を乗り切ることが重要です。
大変だと思いますが何とか乗り切り、自信につながる期間になるよう祈っております。
応援しています。受験生のみなさん、いっしょに頑張りましょう!!

それでは、またお会いしましょう。

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