みなさん、こんにちは。
受験Dr.の坂井です。
忘れたころに現れる倍数判定法を利用する問題・・・。
その都度、倍数の見分け方はなんだったっけかなぁ・・・と困っている受験生もいるでしょう。
そんな受験生は、倍数判定法をこの夏期期間で完全にマスターしましょう。
特に6年生は9月以降、過去問を解き始めることになります。倍数判定法を利用する問題に出会う機会も増えるでしょう。しっかり得点できるようにしていきましょう。
倍数判定法で覚えておかなくてはならないのは、
・ 2の倍数の見分け方
・ 3の倍数の見分け方
・ 4の倍数の見分け方
・ 5の倍数の見分け方
・ 6の倍数の見分け方
・ 8の倍数の見分け方
・ 9の倍数の見分け方
の7つです。
あれ? 7の倍数の見分け方は覚えなくてよいの?
覚えなくてよいです。7の倍数の判定法はあるにはあるんですが、判定法を適用するほうが複雑で
実際に7で割ってみて、割り切れたら7の倍数、割り切れなかったら7の倍数でない
といった見分け方をするほうがはやいです。
ですから、7の倍数の判定方法は覚えなく大丈夫です。
覚えなくてはいけない判定方法を順にみていきましょう。
2の倍数の見分け方
一の位が偶数の数は、すべて2の倍数です。
すなわち、一の位が 0, 2, 4, 6, 8 のいずれかの場合、
その数は2の倍数であるということになります。
例) 10, 22, 34, 46, 78 ・・・ など
3の倍数の見分け方
各位の数の和が3の倍数である数は、すべて3の倍数です。
123の各位の数の和とは、百の位が1, 十の位が2, 一の位が3だから
1+2+3=6 ということになります。
6は3の倍数だから、123は3の倍数ということになります。
なぜ、各位の数の和が3の倍数である数が3の倍数であるといえるのか。理由は後ほど説明します。
例) 123, 135, 204, 1101, 1248 ・・・ など
4の倍数の見分け方
その数の下2ケタが「00」または4の倍数である数は、すべて4の倍数です。
何ケタの数でも構いません。その数の下2ケタが00または4の倍数であればよいのです。
たとえば、4512012という7ケタの数の下2ケタは12です。12は4の倍数だから、
4512012も4の倍数であるということができます。これも理由は後ほど説明します。
5の倍数の見分け方
一の位が「0」か「5」である数は、すべて5の倍数です。
その理由の説明はいらないでしょう。
例) 30, 35, 140, 145, 1260, 1265 ・・・ など
6の倍数の見分け方
各位の数の和が3の倍数で、かつ偶数である数はすべて6の倍数です。
6の倍数は、3の倍数と2の倍数の両方の性質を持ち合わせた数です。
ですから、次の①②の両方が成り立たなければいけません。
①各位の数の和が3の倍数 ⇒ 3の倍数
②一の位が 0, 2, 4, 6, 8 のいずれか ⇒ 2の倍数
例)132, 450, 1116, 1278, 2058, ・・・など
8の倍数の見分け方
その数の下3ケタが「000」または8の倍数である数は、すべて8の倍数です。
何ケタの数でも構いません。その数の下3ケタが000または8の倍数であればよいのです。
たとえば、4512000という7ケタの数は下3ケタが000だから8の倍数ということになります。
また、4512136という数も下3けたの数である136が8で割り切れるので8の倍数であるといえます。
例) 1000, 1064, 123408, 125000, ・・・ など
9の倍数の見分け方
各位の数の和が9の倍数である数は、すべて9の倍数です。
738の各位の数の和とは、百の位が7, 十の位が3, 一の位が8だから
7+3+8=18 ということになります。
18は9の倍数だから、738は9の倍数ということになります。
なぜ、各位の数の和が9の倍数である数が9の倍数であるといえるのか。理由は後ほど説明します。
例) 54, 63, 207, 396, 1458 ・・・ など
以上7つの倍数判定法は瞬時に頭に浮かぶようにしておきましょう。
倍数判定法はいえるけど、なぜそうなるのか。理由まで理解できていない受験生が多くいます。
理由まで理解できていないと解答できない問題も多数ありますので、この機会に理由までわかるようにしておきましょう。
≪3の倍数判定法の理由≫
例えば324という数は、
324=3×100 + 2×10 + 4×1 となります。
ABCという3ケタの数も同様に表すと
ABC=A×100 + B×10 + C×1 となります。
このうち、
A×100 = A×99 + A×1
B×10 = B×9 + B×1
C×1 = C×1
というように分解してみると、
ABC = A×99+A×1 + B×9+B×1 + C×1
= A×99+B×9+A×1+B×1+C×1
=3×(A×33+B×3)+A×1+B×1+C×1
=3×(A×33+B×3)+(A+B+C)
ここで、3×(A×33+B×3)は3の倍数だから、
各位の数の和である A+B+Cが3の倍数であれば、全体も3の倍数であることになります。
≪9の倍数判定法の理由≫
上の3の倍数のときと同じように
ABCという3ケタの数も同様に表すと
ABC=A×100 + B×10 + C×1 となります。
このうち、
A×100 = A×99 + A×1
B×10 = B× 9 + B×1
C×1 = C×1
というように分解してみると、
ABC = A×99+A×1 + B×9+B×1 + C×1
= A×99+B×9+A×1+B×1+C×1
=9×(A×11+B×1)+A×1+B×1+C×1
=9×(A×11+B×1)+(A+B+C)
ここで、9×(A×11+B×1)は3の倍数だから、
各位の数の和である A+B+Cが9の倍数であれば、全体も9の倍数であることになります。
≪4の倍数判定法の理由≫
① 下2けたが00であるような数
32100のような、下2けたが00である数は、
32100=321×100 で表すことができます。
100は 100=4×25 と表すことができ、4の倍数であることがわかります。
ですから、32100は
32100=321×100
=321×4×25
=4×321×25 と表すことができるので 4の倍数であることがわかります。
② 下2けたが4の倍数である数
32124のような、下2けたが4の倍数である数は、
32124=32100 + 24
=321×4×25 + 24
=4×321×25 + 4×6
=4×(321×25 + 6) と表すことができるので、4の倍数であることがわかります。
この夏期期間で、倍数判定法をいえるようにマスターしていきましょう。
夏期講習、大変ですががんばって乗り切りましょう。応援しています。
それでは、みなさん
また、お会いしましょう。