みなさん、こんにちは。
受験Dr.の坂井です。
今回は9月から開始される過去問演習の算数の取り組みについて取り上げてみます。
はじめて本物の入試問題を解くことになるわけですから、不安と緊張と少しの楽しみを持ちながら開始を待つことになるでしょう。
いきなり第1志望校の入試問題を解く受験生はほとんどいないでしょう。第2志望校、第3志望校の学校で過去問演習をスタートする場合が多いのではないでしょうか。
演習する際の注意点を挙げておくと、①制限時間は必ず守ること、②途中で中断しないことの2点です。制限時間を計って解いている演習時間内に飲み物を取りに席を立つなんてことは絶対しないようにしましょう。
では、いよいよスタートです。まず、多くの受験生は大問1の計算問題で思ったより時間がかかりすぎて慌てることを経験することになるでしょう。計算問題3題に10分かかってしまうことも過去問演習を開始したての頃はあるかもしれません。これを機に計算問題をいかに早く正確に解かなくてはならないかを意識し始めて普段の計算演習への取り組みが変わってくる受験生も多くみられます。
大問1の計算が無事(?)終了したら、大問2の小問集合がやってきます。出題形式にもよりますが、多くの入試にいえることは、大問1と合わせて、この大問2の小問集合までを予定の時間内で正確に解き、いかに失点をしないかが重要なカギであるといえます。大問1と大問2で全体の約4割程度の配点が組まれていることが多いです。大問1と大問2で多くの失点をしてしまうと、どうしても合格に必要な点数に到達できなくなってしまいます。典型題に近い形での出題をする学校が多いので、解けなかった問題はすべて確実に復習していくことが重要です。
大問3以降に応用的な問題は配置されることが多いですが、過去問演習の開始したての頃は、大問1と大問2が終わった頃にはもうすでに30分以上経過しているなんてことも多いかもしれません。それでも、大問3以降の問題で解ける問題を見つけ、1問でも2問でも解ける問題を全力で解いていってください。あと残り時間20分だから残りの問題を解き切ることはもう無理などとあきらめずに最後の最後まで頑張りましょう。
制限時間になったらいったん解くことを止めてください。その時点で、いまの自分では制限時間内でどのくらいの問題数が解けるのかを把握することも重要です。今後試験時間を大問1、大問2にどれくらい配分すればよいのかなどが演習の回数を重ねていくとだんだん見えてくるはずです。もし、制限時間を気にせずに解き続けていくと多少点数は上がるでしょうが、時間配分や「この問題はいったん飛ばして後でまた解く」などの問題の取捨選択を一瞬で行うための嗅覚、捨て問なのかどうかを決定する判断力が習得されにくくなります。
算数でどれくらい得点すればよいのか 目標を設定する
複数の学校の過去問を複数回解いていく中で、受験する学校を合格するためには算数でどれくらい得点すればよいのかという目標点数を必ず設定してください。算数1教科で決めるのではなく、4教科で合格点に到達するためには、そのうち算数で何点をとらなければならないのかという逆算的な考え方で目標点数を設定することになります。設定することによりあとどのくらい点数が足りないのか、またはどれだけ余剰点数があるのかが見えやすくなります。間違えた問題の中でも解けるはずの問題が3問あり、あとこれさえできれば合格することができるなどと合格までの道のりが把握しやすくなります。
演習後の振り返り
過去問演習において振り返りは最も重要な作業ともいえるでしょう。受験生自身が出題傾向や難易度を理解し、それに対応できるようになるための手段の1つです。過去問専用の解き直しノートを作成することをお勧めします。自分の間違えやすい問題の傾向が見えてきます。それを直し切ることにより自信にもつながるでしょう。図形問題では、ノートに図形を自分の手で書きうつす方法も効果的です。図をノートに書くためには、辺の長さや条件を理解しながらでなければ書きうつせません。ですから図をノートに書くという作業過程で、書きながら解法に必要なことを自然と考えることになります。速さの問題では、ダイヤグラムをノートに書きうつすことも同様の理由で効果的です。問題の条件を理解せずにはダイヤグラムを書くことができないからです。作図を含めて大問1題につき、ノートの1~2ページくらいを使う書き方で良いでしょう。
最後の最後まであきらめない
ちょうど今頃、9月中は時間配分と難易度に慣れていないことにより、思った通りに得点できないことがほとんどです。じっくり振り返りの時間を作り、解き直しを行い、また通常の学習で苦手分野を克服していくことにより、少しずつ得点できるようになっていくことが多いです。何としても合格してやる!という強い気持ちをもって取り組んでいきましょう。
応援しています。
それではまた、お会いしましょう。