みなさん、こんにちは。
受験Dr.の坂井です。
受験生は過去問を複数年解きおえている時期だと思います。これからさらに過去問演習に拍車がかかることと思われます。過去問の使い方については、何年度から解き始めるのか、どのくらいの頻度で過去問演習を行うのかなど、しっかりスケジューリングされていることでしょう。
過去問演習は、スケジュール通りに解くことは重要なことです。一週間の限られた学習時間の中に過去問演習を組み込むことはなかなか大変なことです。なぜならば、過去問演習は解く時間だけではなく、解き直す時間、分析する時間まで確保することが必要だからです。
今回は、算数について「過去問を解いたあとに行うこと」についての諸注意をお伝えしていきます。
必ず採点を行う(点数をつける)
よくできた年度については、点数を記録するが、よくできなかった年度について丸付けはされているものの何点かを解答用紙や得点記入表に記録しない受験生を見かけることがあります。惨敗した問題に向き合うことはつらいことですが得点をしっかり把握することは、合格するまでの距離を知るためにも重要なことです。たとえ受験者平均点から30点低かったとしても得点にはこだわるべきです。自分にあと何が必要なのかを分析するためにも、しっかり得点を把握しましょう。
算数で何とか受験者平均点を得点し、残り3教科を合計して合格最低点以上をとるという戦略を立てている受験生であれば、「算数であと30点」ということが今後の学習目標を明確にしてくれます。1問6点だったとすると、「あとどこかで5問正解できればよい」という具体的な目標が見えてきます。『1問は計算ミス。1問は毎年出題される売買損益。この2問は今後得点できるように学習しよう。そしてあと2問を図形問題で得点できるようにしよう。さらに、よく大問で出題される「速さの隔たりグラフ」の問題を苦手なので避けてきたが、合格点を確保するためにはどうしても1問は正解しなければいけない。だから全部解けなくてもよいので、(1)の速さを求めるところまでできるように対策しよう』など、具体的な戦略が見えてきたりもします。
演習した直後に解き直しをする
過去問を解いた際は、必ず解き直しをしてください。過去問演習を行った当日、遅くとも問題を解いた2~3日以内に解き直しを行ってください。それをやらずに別の年度の問題を解き始めると、弱点の補強がなされないばかりか、出題傾向、合格にあと何点必要か、どの問題だったら解けていたはずだ、どれが捨て問になるのかなどといった合格するために必要な問題研究ができないことになります。解きっぱなしをくり返してたくさん過去問をこなしても点数が全く上がっていかないという現象が起きます。また、過去問演習を行った1週間後に解き直しを行っても、時間が経ち過ぎていて効果が薄れます。問題を解いたら、できるだけ早めに解き直しをしましょう。
自分で状況図を作れるようにしましょう
解き直しを行ったノートを見ると、式だけが書いてある解き直しノートを見ることがあります。簡単な問題や単純なミスをした問題の解き直しであれば式だけでよいです。しかし、どんな分野の問題でも大問の直しは式だけで表すことはできないはずです。例えば「速さ」の問題であれば、状況図を作成せずに、頭の中ですべての動きを把握し式をつくることは受験生にとっては至難の業です。
状況がわからず、状況図が作れなかったから正解できなかったはずなのに状況図を作成できるようにするための解き直しができていないということになります。おそらく解答解説に書いてある状況図を見ながら、解答解説に書いてある式を追いかけ、解き直しとしてそこに書いてある式がノートに書いてあるといった流れでノートが作成されていることも多いのでしょう。
受験生にとって時間がない中での解き直し作業ですから、時間をかけずに解き直しをすませてしまうケースも多いかもしれませんが、それは逆効果であるといえます。ここは、急がば回れです。じっくり、自分の手で状況図を作成できるようになるまで練習した方が効果は上がります。解き直しの際は、作図、作表、状況図の作成までしっかりノートに記す解き直しをしてみるとよいでしょう。
まだ合格点に届かずに頑張っている受験生がほとんどでしょう。各学校で公表されている平均点や合格最低点は、君たちの先輩たちが今から3か月後に得点した結果です。受験勉強を最後の最後まで頑張って、試験場で実際に試験を受けた結果の点数なのです。今この時期に受けた試験の結果ではありません。みなさんは、あと3か月後に合格点をとればよいのです。志望校合格に向けて、日々大変な時間を送っていることと思います。ぜひ、最後の最後まで頑張り切ってください。応援しています。
それでは、またお会いしましょう。