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投稿日:2023年10月26日

テーマ: 算数

場合の数(場合分けの利用)  ~V形 W形に並べてみよう~ vol. 6

こんにちは。
受験Dr. の坂井です。

「V形 W形に並べてみよう」の第6弾。
そのうち、W形についての並べ方について、いよいよ最終話です。

1~7までの数をW形に並べたとき、並べ方が何通りあるかを考えていきます。
W形の並べ方は次に示すように(ア)~(オ)の5種類の並べ方があります。

図1

並べ方のルールにつきましては、こちらよりご確認ください。

 

W形の並べ方(ア)~(オ)5種類のうち、これまで(ア)(イ)(ウ)(エ)について考えました。
今回は、いよいよ最後、(オ)の並べ方について考えていきましょう。

 

図2

(オ)については、図1、図2のような2種類の形があることに注意しましょう。
ただし、左右反対の図1、図2の並べ方については同じ通り数ですので、図1についてのみ調べていきます。

並べ方について調べていくときのポイントは(ア)~(エ)の並べ方について調べたときと同様に
数の位置が限定できるものについて、場合分けをするという点です。

1~7の中で7は最大の数だから、7の位置は
右の図のPまたはQとなります。

図3

 

7がPの位置にあるとき

7がPの位置にあるとき、6の位置は次の2通りです。

図4

(ⅰ)と(ⅱ)のそれぞれについて、場合分けをしながら並べ方が何通りあるかを考えていきましょう。

 

(ⅰ)の場合
1を並べることができる場所で場合分けして考えます。
1を並べることができる場所は次に示す<X><Y>の2通りです。

図5

<X>と<Y>の場合について、aの位置に並べる数によりそれぞれ何通りあるかを考えていきます。

 

<X>について
aの位置には5しか並べることができません。
b =2のとき、(a,c,d)=(5,4,3)
b =3のとき、(a,c,d)=(5,4,2)
b =4のとき、(a,c,d)=(5,3,2)           よって 1×3=3通り になります。

<Y>について
Xと同様に、aの位置には5しか並べることができません。
b =2のとき、(a,c,d)=(5,4,3)
b =3のとき、(a,c,d)=(5,4,2)
b =4のとき、(a,c,d)=(5,3,2)           よって 1×3=3通り になります。

したがって、(ⅰ)の場合は、 3+3=6通り になります。

 

(ⅱ)の場合
(ⅰ)と同様に、1を並べることができる場所で場合分けして考えます。
1を並べることができる場所は次に示す<X><Y><Z>の3通りです。

v

<X>と<Y>と<Z>の場合について、a~dの並べ方についてみていきましょう。

<X>について
aとbは2、3、4、5のうち、a>bとなるように並べることができます。aとbの並べ方が決まれば
cとdは、aとb以外の残りの2つの数でc>dとなるように自動的に並び方が決まります。
すなわち、aとb(a>b)の並び方だけを考えればよいということになります。
aとb(a>b)の並び方:4×3÷2=6通り

<Y>について
aとbは2、3、4,5のうち、どの数でも並べることができます。(a<bでもa>bでもよい)
さらにaとb以外の残りの2つの数は、c>dになるように自動的に並び方が決まります。
すなわち、aとbの並び方(a<bでもa>bでもよい)だけを考えればよいということになるのです。

aとbの並び方: 4×3=12   12通り

<Z>について
<Y>と同様にaとbの並び方だけを考えればよいので、
aとbの並び方: 4×3=12   12通り

したがって、(ⅱ)のときの場合は、6+12+12=30通り になります。
7がPの位置にあるとき、(ⅰ)(ⅱ)より 6+30=36通り となります。

 

7がQの位置にあるとき

7がQの位置にあるとき、6の位置は次の3通りです。

図7

(ⅰ)~(ⅲ)のそれぞれについて、場合分けをしながら並べ方が何通りあるかを考えていきましょう。

 

(ⅰ)の場合
1を並べることができる場所で場合分けして考えます。
1を並べることができる場所は次に示す<X><Y><Z>の3通りです。

図8

<X>について
aとbは2、3、4、5のうち、a>bとなるように並べることができます。aとbの並べ方が決まれば
cとdは、aとb以外の残りの2つの数でc>dとなるように自動的に並び方が決まります。
すなわち、aとb(a>b)の並び方だけを考えればよいということになります。
aとb(a>b)の並び方:4×3÷2=6通り

<Y>について
aとbは2、3、4,5のうち、どの数でも並べることができます。(a<bでもa>bでもよい)
さらにaとb以外の残りの2つの数は、c>dになるように自動的に並び方が決まります。
すなわち、aとbの並び方(a<bでもa>bでもよい)だけを考えればよいということになるのです。
aとbの並び方: 4×3=12   12通り

<Z>について
<Y>と同様にaとbの並び方だけを考えればよいので、
aとbの並び方: 4×3=12   12通り

したがって(ⅰ)の場合は、6+12+12=30通り

 

(ⅱ)の場合
1を並べることができる場所で場合分けして考えます。
1を並べることができる場所は次に示す<X><Y><Z>の3通りです。

図9

<X>について
aとbは2、3、4、5のうち、a>bとなるように並べることができます。aとbの並べ方が決まれば
cとdは、aとb以外の残りの2つの数でc>dとなるように自動的に並び方が決まります。
すなわち、aとb(a>b)の並び方だけを考えればよいということになります。
aとb(a>b)の並び方:4×3÷2=6通り

<Y>について
<X>と同様にaとbは2、3、4、5のうち、a>bとなるように並べることができます。aとbの並べ方が決まればcとdは、aとb以外の残りの2つの数でc>dとなるように自動的に並び方が決まります。すなわち、aとb(a>b)の並び方だけを考えればよいということになります。
aとb(a>b)の並び方:4×3÷2=6通り

<Z>について
aは2、3、4、5のうち、どの数でも並べることができます。
aの位置に並べた数以外の残りの数の並べ方を、dが最大であることに注意して
考えてみると次のようになります。
a=2のとき、(b,c,d)=(3,4,5)(4,3,5)
a=3のとき、(b,c,d)=(2,4,5)(4,2,5)
a=4のとき、(b,c,d)=(2,3,5)(3,2,5)
a=5のとき、(b,c,d)=(2,3,4)(3,2,4)     よって 2×4=8通り になります。
したがって、(ⅱ)の場合は、6+6+8=20通り になります。

 

(ⅲ)の場合
1を並べることができる場所で場合分けして考えます。
1を並べることができる場所は次に示す<X><Y><Z>の3通りです。

図10

<X>について
aには2、3、4、5のうち、どの数でも並べることができます。
aの位置に並べた数以外の残りの数の並べ方を、c が最小であることに注意して
考えてみると次のようになります。
a=2のとき、(b,c,d)=(4,3,5)(5,3,4)
a=3のとき、(b,c,d)=(4,2,5)(5,2,4)
a=4のとき、(b,c,d)=(3,2,5)(5,2,3)
a=5のとき、(b,c,d)=(3,2,4)(4,2,3)     よって 2×4=8通り になります。

<Y>について
aとbは2、3、4,5のうち、どの数でも並べることができます。(a<bでもa>bでもよい)
さらにaとb以外の残りの2つの数は、c>dになるように自動的に並び方が決まります。
すなわち、aとbの並び方(a<bでもa>bでもよい)だけを考えればよいということになるのです。
aとbの並び方: 4×3=12   12通り

<Z>について
aには2、3、4を並べることができます。(aに5を並べることはできないことに注意しましょう)
aに並べる数について場合分けしてみていきます。
cが最小であることに注意すると次のようになります。
a=2のとき、(b,c,d)=(4,3,5)(5,3,4)
a=3のとき、(b,c,d)=(4,2,5)(5,2,4)
a=4のとき、(b,c,d)=(5,2,3)         よって 5通り になります。

図11

したがって、(ⅲ)の場合は、8+12+5=25通り になります。

7がQの位置にあるとき、(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)より 30+20+25=75通り となります。

以上より7がP、Qにあるときを合わせて、36+75=111通り
そして、図1、図2が左右逆になっていることを考えて、111×2=222通り となります。

 

みなさん、お疲れ様でした。これで「V形 W形に並べてみよう」シリーズのお話は終了です。
最後にポイントをもう一度お伝えします。

ポイントは、まず7の場所について場合分けをすることです。さらにそれにつながる6の場所が限定されるので6について場合分けをし、最後に最小の1について場合分けをして集計をしていくことです。一言で言えば、数の位置が限定できるものについて、場合分けをしていくということになります。

それではみなさん、
またお会いしましょう。

算数ドクター