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投稿日:2024年01月19日

テーマ: 国語

中学受験の国語は主語が大切①

初めまして。
受験Dr.国語科の佐倉と申します。
本日より「中学受験 プロ講師ぶろぐ」に参加いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

2/1受験を控えたみなさんは、勉強に励んでいる最中だと思います。
身体が資本ですから、体調にはどうか気をつけてくださいね。

 

さて、今回と次回で、「主語の確認は非常に重要」というお話をします。
といっても、主語が見つからなければ活用できません。
今回はひとまず、主語の見つけ方を説明します。

 

主語は国語の基礎も基礎、侮れない重要なものです。
なんとなくで判別していると見落としや勘違いが起きやすいですし、
それが重なると本文全体の誤読につながります。

 

主語を正しく把握できているか、今のうちに確認してしまいましょう。

 

そもそも「主語」とは、動作や作用の主体のことを指します。
もっと簡単に言えば、「誰が/何が どうした/どんなだ」の「誰が/何が」の部分のことです。

 

では、実際どのように見つけたら良いのでしょうか。
方法は二つあります。

 

まず一つめは、助詞から判断する方法です。
助詞は、「私は」の「は」や、「僕が」の「が」のことです。
主語につく助詞は決まっているので、
文の中からそれを探せば、主語を見つけることができます。

 

主語につく助詞は以下の六つです。
が・は・も・こそ・さえ・だって
リズムが良いので、声に出して繰り返し、覚えてしまいましょう。
そして二つめは、述語から判断する方法です。
述語は「誰が/何が どうした/どんなだ」の「どうした/どんなだ」にあたるので、
それに対応する主体が主語だとわかります。

 

どういうことか、一文を例に挙げて説明します。

 

「今日、僕は、新しい服を着ています。」
述語は、倒置法や省略されている場合を除き、「。」のすぐ上にあります。
この文では「着ています」ですね。
誰が服を着ているかというと「僕」なので、主語は「僕」だとわかります。

 

しかし先ほどの一文、このように変えたら主語はどうなるでしょうか。
「今日、僕は、兄がくれた服を着ています。」

 

この文は、
「僕は服を着ています。」

「兄が服をくれました。」
という二つの文を一つにまとめたものです。

 

この文全体の述語は、「着ています」です。
では、「着てい」るのは誰でしょうか。
そう、「僕」ですね。

 

では「兄」は何なのかと言うと、修飾の役割を果たしています。
「僕」が着ている「服」について、どのような服なのかを説明しているのです。

 

助詞から判断しようとすると、「僕」と「兄」のどちらが主語なのか決めることができません。
文が複雑なときは、こうして文全体の述語から判断しましょう。
入試問題からもう一文見てみましょう。

 

実は私には兄が三人います。  (2020埼玉栄 1月11日午前)

 

この文の主語は誰でしょうか。
「私」? それとも「兄」?

 

まずは、この文の述語を探します。
それは「います」ですね。
「い」るのが誰かというと、「私」ではなく、「兄」です。
よって、主語は「兄」なのです。

 

「私」は主語ではありません。
すぐ下についている助詞「には」からもわかりますね。
「には」というのは、場所や対象を表す助詞です。
「公園には兄が三人います」という言い方と同じようなものだと解釈すると、理解しやすいのではないでしょうか。
存在しているのは「兄」ですが、その「兄」が存在している対象が「私」ということです。

 

構成が複雑な文や主語が省略されている文で主語を見つけるのは、とても難しいことです。

 

ぜひ、今回お伝えした二つの方法を覚えて、使えるようにしてください。
助詞から主語の候補を見つけ出し、述語から文全体の主語を選択できると、効率的に判断できます。

 

次回は、こうして見つけた主語をどのように活用したら良いのかをお話します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

国語ドクター