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投稿日:2024年05月03日

テーマ: 国語

【中学受験 国語】読点はどこに打つ?

みなさん、こんにちは。
受験Dr.の佐倉です。

新学期になってひと月が経ちましたが、新しい学年には慣れてきたでしょうか。
これから次第に暑くなりますから、体調には気をつけてお過ごしください。

さて、本日は、読点(とうてん)についてお話しします。

句読点(くとうてん)という言葉を聞いたことがある人は、多いと思います。
句読点とは、句点(くてん)と読点をひとつにまとめた言葉です。
基本的に句点は「。」、読点は「、」のことを指します。
どちらも、文章を読みやすく、そして正しい意味が伝わるようにするためのもので、文の切れ目に使います。

授業で記述の解答を見ていると、
「、」がひとつもなかったり、要らないところについていたりということが、少なくありません。
生徒からは「どこに入れたら良いかわからなかった」と聞くこともあります。
この読点というのは、なかなか曲者のようですね。

確かに、文の切れ目につけると言われても、どこが切れ目かわからないとつけられないですよね。
しかし、文章の内容によって位置が異なるので、説明するのは難しいです。

今回は目安として、考え方をひとつお伝えします。

一文のうち、複数の文がくっついている、その間に打つと考えてみてください。
複数の文がくっついているその間とは、主語・述語のセットの間のことです。

例文を見ていきましょう。

「私は先生に呼ばれたので職員室に向かった。」

これは、①「私は先生に呼ばれた」と②「私は職員室に向かった」の二つの文を、理由を表す「ので」を使って組み合わせた文章です。
主語はどちらも「私」なので、②の主語が省略されています。
よって、①の述語「呼ばれた」と②の述語「向かった」を分ける位置に、読点を打てば良いのです。
述語とその後にある助詞は切り離せないので、読点は次のようになります。

「私は先生に呼ばれたので、職員室に向かった。」

「私は先生に呼ばれた」の主語を「先生」に変え、「先生が私を呼んだ。」としても同じです。
今度は主語が異なりますので、「先生が」と「私は」の両方を残します。

「先生が私を呼んだので、私は職員室に向かった。」

主語と述語のセットの間に「、」を打つことで、
文の途中で主語が変わっても、動作の主を正しく伝えることができます。

ただし、この文では「私」が二度使われます。
主語を「私」にまとめた初めの例文の方が、すっきりして見えますね。
記述問題では、この点も意識して書いてみましょう。

長い文章でも、同じように考えると「、」をつけやすくなると思います。

一つ目の例文の後ろに
③「私は向かう途中で他の先生に声をかけられた。」
④「私は到着が遅くなりそうだと思った。」
⑤「私は焦っている。」
を付け足して長くしてみましょう。

「私は先生に呼ばれたので職員室に向かったがその途中で他の先生にも声をかけられてしまい到着が遅くなりそうだと思って焦っている。」

「、」がないと読みづらいですね。
短くするために、まずはこれを主述のセットに分けていきます。
が、主語は「私」で統一されています。
述語に注目しましょう。

述語になる動詞、形容詞、形容動詞を探すと、
「呼ばれた」「向かった」「かけられてしまい」「思った」「焦っている」の五つがあります。
この五つの述語とその後ろにある助詞は切り離せないので、助詞の後ろに「、」をつけてください。

「私は先生に呼ばれたので、職員室に向かったが、その途中で他の先生にも声をかけられ、到着が遅くなりそうだと思い、焦っている。」

読点がないものよりも、かなり読みやすくなったと思います。

読点は、意味の切れ目を表します。
読点に注意して読むことで、修飾関係を正しく把握したり、主語の混同を防いだりと、分析的に読むことにも役立ちます。
記述するときだけでなく、読むときにもその位置に注目してみてください。

あくまで今回お話しした内容は目安であり、必ず守らなければならないルールではありません。
文のつなぎ方によっても「、」が必要になったり要らなくなったりします。

今回の考え方は、「、」を打つ練習の手始めとして試していただけたら嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

国語ドクター