「比」という漢字を訓読みすると何ですか?
そうです、「比べる」(くらべる)と読みますよね。
「比」というのは、ある2つ以上のものを比べて、大きいとか小さいとかの目安を作って
いるのです。
たとえば、長さ120㎝の杖と、150㎝の杖では、比べるとどのくらいになるのか。
120:150=4;5というように、簡単な整数の比で表される事になります。
今回、日能研のカリテで出てきた【5】の(1)、(2)は正に速さと比で解く問題です。
そこで皆さん、考えてほしいのは、どういう時に比は使えるのかということです。
闇雲に速さがあったら、速さ同士を比べてよいのか。時間がでていたらとにかく時間を
比にするのか。
ちょっと考えてみてください。
最初に出した杖の長さの比というのは、同じ「杖」というカテゴリーの中で比べています。
たとえば
1歳の子の身長と、20歳の人の身長を比較して考えるという事はあるでしょうか。
あまり意味がありませんよね。(人間という大きなカテゴリーの中では比べる事も
あるかもしれませんが)
つまり、何が言いたいかというと、同じカテゴリーの中、
または、同じ条件のもとで比べるという事が大事なのです。
そう考えると、速さと比の中でも、ただ速さがたくさん出ているからといって比べては
意味がありません。
同じ道のりで比べて、速さが2:3であれば、時間の比が3:2と逆比になるのです。
逆比になるのも、同じ条件のもとで比べてそのような事がおこるのですよね。
逆比になるという事だけが頭に入っていて、意味なくそれを使ってしまっているのではだめです。
なぜ逆比が使えるのか、そのこともちゃんと考えて使ってください。
あくまでも比は同じ条件のもとで使えるものなのです。
今回の日能研のカリテ[1]で問われている記述は、なぜ逆比になるのかを問う良い問題です。
もう一度振り返って頭に正確にいれておきましょう。