課題、第2弾は、立体図形です。
今年の品川女子学院中(2回)で出題された、ユニークな立体図形問題を紹介いたします。
底面が1辺20cmの正方形で深さが6cmの直方体の容器に、半径3cmの球を入れます。この球が容器の中を浮かないように自由に転がるとします。ただし、容器の厚さは考えないこととし、円周率は3.14とします。
(1)この球が触れることのできる容器の底面の部分の面積は何㎠ですか。
(2)この球が通ることのできる部分の体積は何㎤ですか。なおこの球の体積は113.04㎤とします。
円を転がす問題は良く見かけますが、「球を転がす」問題は経験がなく、えっ!?とビビッてしまった人もいるのではないでしょうか。
しかし、実はよく観察し見てみると、基本的な考え方は円を転がした時と全く同じなのです。
(1) この球が触れることのできる容器の底面の範囲は、下図のオレンジ部分の正方形になります。真上からみたらどのようになるのか常に考えましょう。
この正方形の1辺の長さは、20-3×2=14 なので、よって 14×14=196(㎠) A、196㎠
(2) 球を容器の側面とぶつかるところまで動かしてみると、
上図のように、①~③の3か所に分けて体積を考えることができます。
・①は、
14×14×6=1176㎤
・②の部分の体積は、円柱の半分が4つできることになるので、
×2
よって、これらを組み合わせると、
3×3×3.14×14×2=791.28㎤
・③の部分の体積は、
球を4つに分けた図形が4つできることになるので、ちょうど球になります。
ということは、問題文の中より、その体積は113.04㎤。以上から、球が通ることのできる体積は、①~③を加えて、
1176+791.28+113.04=2080.32㎤
どうでしょうか。円を転がす問題は平面上では、何度も解いたことがあったかもしれませんが、球になった時も実は同じだということがわかりましたか?常に、問題を解く時、わからない未知なものがでてきた!とびっくりするのではなく、自分の知っている知識で何か使えるものはないか、という意識で問題と向き合うようにしてみてくださいね。慌てることはないのです。知っていることをどう使うかという思考回路にしていきましょう!