中学受験の算数というと、みなさんは何を想像されますか?
つるかめ算、売買算、旅人算・・・などでしょうか。
その中で、今回は、割合の「食塩水」の問題について書いていきたいと思います。
【割合なんです、食塩水は】
食塩水を初めて教える時に必ず生徒に聞く事があります。
「しょっぱいって何?」
「しょっぱくないってどうやって判断しているの?」
塩水でうがいなど最近の子はやらないようで、水に塩が混ざっている食塩水自体を
実感的に見た事がない子が多いのですが、なんとなくこちらの言っている事はわかるようで、
かろうじて、
「う〜ん、塩がたくさん入っているとしょっぱい、かな」
なんていう答えが返ってきて、内心ほっとします。
そんな大人が期待している答えが返ってこない時は、
更に具体的に、
「例えば、100gの液体の中に20g塩が入っているのと、2gしか入っていない
のでは、全然違うよね?」
とビーカーの絵を描きながら促しつつ、「じゃ、何が違うのかな」と質問を加えていきます。
なぜこのような質問をするかと言いますと、
食塩の問題を解く上で、はっきり言って「食塩÷(食塩+水)=濃度(%)」と
教えてしまえば手っ取り早いのです。
しかし、国語で言葉に意味があるように、算数では式に意味があります。
意味をちゃんと理解できていればどんな問題でも応用が効くのです。
食塩水の問題は、食塩水全体に対してどれだけ塩が入っているかということが分かれば濃度がでてきます。
つまり、全体の食塩水に対する食塩の割合が、濃度にあたるということです。
そのことに、まず生徒自身が気付いて欲しいなという思いから
質問をしています。
【基本は3つ】
①水を加える、水が蒸発する⇒食塩の量は変わらない。
②2つの食塩水を混ぜる⇒食塩の量を追う
③面積図の利用またはてんびん図
【L字型の食塩水図】
生徒が食塩の問題で一番つまずくのは、
どっちをどっちで割るのか、何を何にかけるのかが分からなくなってしまうというパターンです。
つまり、濃度を出す時に、食塩÷(食塩+食塩水)であるのに、なぜか食塩水÷食塩をしてしまったり、
なぜか食塩×食塩水をやってしまったりと、ハチャメチャな事になってしまいます。
原因は、式を暗記しようとしているからです。
テストでは、問題は食塩だけではないので、案の定、他の問題を解いている間に
忘れてしまったり、頭が真っ白になってしまって思い出せないという事態に陥ってしまうのです。
式を丸暗記するのが悪い訳ではありません。
覚えてしまえばもちろんいいのです。
そして、ちゃんと意味から理解しなさいというのも、本当なんです。
しかし、みながみんな全部を理解するのも確かに大変ではあります。
そこで朗報です。
意味から理解するのは苦手という生徒さんは特にL字型を書いて食塩水の問題を解いて下さい!!
なぜかというと、
L字型を書いてみると、たて×横=面積と同じ求め方をすればよいと気付くからです。
こんなにいい図は、他にはないのではないでしょうか。
食塩を求める時は、面積と同じように、たてに書かれている「濃度」と横に書かれている「食塩水」をかけます。また、食塩水を求める時は、面積の中に書かれている「食塩」をたての「濃度」で割ればいいのです。
濃度は、面積の「食塩」を横に書かれている「食塩水」で割ります。
どうでしょうか。
面積図と考えれば、面積を求める長方形と同じ考え方で、たてや横の濃度や食塩水を求めることができますよね。
食塩=濃度×食塩水
面積=たて×横
とっても簡単じゃないですか?
もっと詳しい食塩水の解説はこちらへ!
http://www.chugakujuken.com/hensa20up/sansu20up/1-noudo-dounyu1/
これからは、みなさん、濃度の達人です!
ぜひ、このL字型の濃度図を書いてみてください。
最後に、実際の生徒さんのノートを少しお見せします。
[5]のやり取りの問題もしっかりと解けてますね。
丁寧に描けているとても立派なノートです。