こんにちは、算数を担当しております佐々木です。
GWの谷間、5月1日
いかがお過ごしでしょうか。
学校もあるけど、2日行ったらまた休みだし。
そんな麗かな陽気の中、ブログをお読みいただきましてありがとうございます。
本日は、入試問題をご紹介したいと思います。
渋谷教育学園渋谷
今年の入試問題から一題
【1】(5)
渋男君は、算数のテストでクラスの上位半分に入ったら、ごほうびをもらう約束をお母さんとしました。テストが終わり返却されたところ、渋男君はクラスの平均点よりも低い点数でした。それを見たお母さんは「平均点よりも下だから、上位半分には絶対に入っていないわね。」と言いました。
「平均点よりも下だから、上位半分には絶対入っていない。」とは限りません。その理由を、お母さんが納得するように説明しなさい。
さて、皆さんでしたら、どのように答えるでしょうか。
まずこの問題のポイントは、
「平均点とは何ぞや」
です。
平均=全員の合計得点(全部の合計)÷人数(個数)
イメージとしては、
でこぼこの高さを均す(高さを平均化する)ということです。
では、この問題に戻って、
お母さんの発言の「上位半分には、はいっていないわね」
ということを考えてみましょう。
上位半分というのは、50人いれば、25人以上、100人いれば50人以上ですね。
4人であれば2人以上です。
例えば、4人で考えてみると、
極端に3人が点数が悪く、一番できる人との差が大きく開いている場合を考えてみましょう。
仮に、A君、Bさん、C君、Dさんとすると、
A君は10点、Bさんは11点、C君15点、Dさん100点とします。
平均は(10+11+15+100)÷4=136÷4=34点・・・平均点
渋男君がC君とすると、平均よりは低い点数ですが、上位2番目。
上から2番目に入っているので、上位半分より上になります。
すごく、悪い点数をとっているにもかかわらず、
「上位半分以上」!!
上位じゃん!
と、どや顔の渋男くん。
しかし、
これを偏差値にしてみるとどうでしょう。
偏差値とは、簡単に言ってしまうと、
「平均点からどれだけ離れているか」
を表す値のことです。
となりますが、詳しくは割愛します。
平均点が偏差値50ですので、
渋男君の偏差値を求めてみると、
まずは準備として、標準偏差を求めないといけないので、
意味はさておき、とりあえず公式に当てはめて求めていきますね。
s は、標準偏差
s^2は、分散
nはデータの総数
xiは個々の数値
x ̅ は平均値
を表します。
=38.15…
渋男君の偏差値は、50-10×15÷38.15…=45.0196…
だいたい、偏差値45となります。
ちなみに100点の生徒は、
50+10×(100-34)÷38.15…=67.300…となり、やや、高めにでてきます。
平均から66点も離れているので、これぐらい高くなります。
平均からかけ離れて、いい点数を取っている場合、偏差値が75や80と高い数値になるのです。
時々そういう数字を見ることがありますよね。
この渋男君のお母さんは、上位半分という人数で区切るのではなく、
偏差値で示せば、ごほうびを上げなくて済んだんですがね。
何はともあれ、とりあえずごほうびをもらえてよかった、よかった。
ですが、平均行ってないんだから、
間違えたところはしっかりとテスト直しもしましょうね、渋男くん。
それでは、本日はこれまで。
ありがとうございました!