こんにちは、算数を担当しています佐々木です。
本日は、「手順」が大事!
というお話をしたいと思います。
分数計算
という問題で、(分数のやり方はすでに知っているという前提で話を進めていきます。)
←一気にこの状態に持っていく生徒さんが多い
上の式は合っているので、まーまー良しとします。
しかし、この手順でやってしまうと、
というミスを犯してしまう生徒さんが40%くらいいます。(40%は個人的な感覚です)
5人に2人くらいの割合でミスをする生徒さんが出てきます。
5回計算問題を解いて2回くらいミスをすると考えてもいいかもしれません。
つまり、100%の正答率からはかけ離れてしまうということです。
とにかく、「リスクを減らす」というのが算数の問題を解く上で大事な心掛けです。
「確実性」と「スピード」のどちらを先に選ぶかは、
やはりまずは「確実性」です。「スピード」は確実に解けるようになってから十分
練習はできます。しかし、「確実性」は「スピード」からは生まれません。
分数の計算の手順は以下のようになっています。
①帯分数を仮分数にする
②÷を×にし、×の後ろの分数を逆数にする
③約分する
④仮分数を帯分数にする
という4つの手順があります。
これだけの手立てをやっているのです。
頭の中でこれを一気にやるのではなく、
1回につき1作業を守り、ノートに書いて解いていきましょう!
特に逆数にするとき、÷を×に直しただけで終わりにしないようにしましょう。
では、分数のたし算・ひき算ではどうでしょうか。
やはり3つの手順に分けることができます。
①通分する
②帯分数のまま引き算の形をつくる
③整数部分と分数部分に分けて計算
分数のたし算・ひき算の解法で指導の中でよく見かけるのが、
という、初めの段階で、帯分数を仮分数にしてから通分、計算をする方法です。
間違ってはいません。
しかし、②のプロセス、通分するために□倍するというところに
リスクが潜んでいます。
大きな数字になればなるほど、計算ミスをしやすくなるのです。
更に、③の引き算、また、④の仮分数をあらためてまた帯分数に直す
というところにもリスクが潜んでいます。
計算のモットーは、「リスクを減らす」ということにあります。
大きな数字にするまえに、まずは「帯分数のまま」で「通分する」
「かけ算の形にもっていって早めのうちに約分する」など、
リスクを減らす手立てを知っているのであればそれを使うべきです。
仮分数に直してから全部を通分するというやり方は間違っていないので
絶対にやってはいけないとは言えませんが、
「リスクを減らす」という観点からもう一度自分の計算方法を見直してみてください。
「手順」は、どの問題でも大事です。
すっ飛ばして先をやってしまうと、思わぬところでつっかかっているということもあります。
もちろん、慣れてきて、自分は絶対に計算を間違わないと誰もが認めるくらいまできたら、
スピードをつけるために手順をすっ飛ばしてもいいでしょう。ただ、順番は間違わないようにしましょう。
余談ですが、分数のこの手順は、実はAIには難しいそうです。
AIに難しいことを、人間は、小学3年生、4年生ですでに習得しているのです!
それは、ちゃんと「手順」を踏むということができるからです。
人間てすごいじゃないですか!!
というところで、本日は終わりたいと思います。