こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。
本日は、算数の思考で迷ったらとにかく等しい部分に注目する
ということをお伝えいたします。
2021年度 第1回 浦和明の星の問題から、
【4】 直方体の形をした2つの容器A、Bに水が入っています。この2つの容器の底面積は異なり、容器Aの底面積は120㎠です。
はじめ、2つの容器AとBの水の深さの比は3:2でした。Aに入っている水の量の1/6をBへ移したところ、Aの水の深さはBより0.8㎝だけ深くなりました。さらに、Aに入っている水の量の1/5をBへ移すと、Bの水の深さはAより2.4㎝深くなりました。
(1) はじめに容器A、Bに入っていた水の深さをそれぞれ答えなさい。
(2) 2つの容器の水の深さを等しくするには、この後、BからAへ何㎤の水を移せばよいですか。
という問題です。
まず問題を整理する図を描く
まず問題を整理する図を描きましょう。
図1
Aの体積を比で表すと120×③=360とします。
その1/6をBに移すので、360×1/6=60
Aの高さは、2.5となり、Bはもともとの2よりも少しあがり、Aよりは0.8㎝低いという状態です。
しかし、これだけでは、2より少し上という曖昧な表現しかできません。
図2
そこで、次の情報を図に描いてみます。
図3
この図3が解くカギとなります。
等しい部分に着目する
今度はAの1/5がBに移るので、300×1/5=60がBへ移動します。
Aの高さが②となります。Bの高さは、そのAよりも2.4㎝高くなるということなので、
図3のようになります。
実は、そこが着眼点となります。
Aの②の高さと、もともとのBの高さ②が等しいということに気づけましたか。
つまり、
120増えた分が2.4㎝ということになります。
そうすると、2.4㎝で120
120の半分の60の時は、
60=1.2㎝
図2より
2.5-2=0.8㎝+1.2㎝
0.5=2㎝
1=4㎝、よって、
③=12㎝、②=8㎝でAとBのもとの高さがわかります。
これが解ければ(2)は典型問題となります。答えのみ示しますが、
(2)の答え180㎤となります。
2021年度第1回浦和明の星の算数の問題は、平均点も上がり例年に比べ解きやすい問題だったと思います。
合格者平均が2020年度は68.0点に対し、2021年度は75.3点でした。
典型問題と思考の根本をつく良問のセットでした。
いわゆる難問ではないけれど、どこに注目すべきかがわかるかどうかが合否の分かれ目となります。
思考の着眼点。算数の考え方の根本は、「等しい部分」に注目するか「異なる部分」に注目するかだと思います。
差に注目したり、同じところに注目して解法を導き出す練習をしていきましょう。
日ごろから、図や表を自分で描き、一つの解き方だけではなく、ほかに解き方が無いか探求する力の練習が求められています。
これから新学年。
一緒に試行錯誤しながら、楽しく算数を勉強していきましょう!
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