こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。
本日は、「比」についてお話したいと思います。
「比」って、訓読みは何ですか?
そうです、「比べる(くらべる)」ですよね。
「比べる」ということは、1人や一つのものでは比べられないですよね。
2つ以上のものがないとくらべるということはできません。
では、ドラえもんの身長が129.3㎝で、この「身長129.3㎝」と「シャープペン10㎝」を比べて、
背が高いとか低いなど言うでしょうか。
そもそも、身長とシャープペンの長さを比べるということはあるでしょうか。
ないです。
では、なぜないのか。
それは、何かが同じもの同士でないと比べる意味がないからです。
例えば、身長であれば、「5年生の1組と2組の男子の身長」とか、長さを比べるのであれば「ボールペンとシャープペン」など、
同じクラス、同じ学年、同じもの
でないと比べる意味がありません。
つまり、「比」には、「同じ」○○が必要であるということです。
平面図形ででてくる「相似形」も
これは、「同じ形」だから比べることができるのです。
同じ形のものを同じ場所で比べる
ということを頭に入れて、次の問題を解いてみましょう。
上記の三角形で、どれとどれが相似形か。
三角形ADEと三角形ABCです。
相似比は、4:5
これは、正解でしょうか。違います!! この間違いが本当に多いです。
でてきた数字を比にすればいいということではありません。
ここで思い出してほしいのは、やはり何が「同じ」かということです。
この三角形は大きな三角形のなかに小さな三角形が入っているということ。
おそらく、なんとなくはそこまでは皆さん見ることができてはいるのですが、
なんとなくではだめなので、小さい三角形(三角形ADE)を抜き出してみます。
では、どこの辺とどこの辺が対応しているのかを次に見ていきます。
辺ADを延長して大きくしたのは、辺DEではなく、
辺ABですね。
よって、相似比は、三角形ADE:三角形ABC=4:(4+5)=4:9
となります。
そうすると、辺DEに対して、辺BCが対応しているので、
□:13.5㎝=4:9
□=13.5÷9×4=6㎝となります。
次はどうでしょうか。
相似形は、
三角形ABCと三角形DECは見つかりましたか?
対応する辺は、辺AB:辺DEとなります。
相似比は、20:12=5:3
AC:13.5=5:3
AC=13.5÷3×5=22.5㎝
よってAD=22.5―13.5=9㎝
はじめに、□の長さは求めることはできません。
この問題でよく皆さんが間違えるのは、
5:3=□:13.5として、
□=22.5と答えてしまうところです。
常に、対応する辺を考えましょう。
つまり、どの辺をどこまで延長または縮尺したか、
同じ形になるように比べるということです。
あくまで、辺CDを延長したのは、辺CAです。
辺DA=□の長さは、台形部分を作っている辺にすぎません。
間違えやすい場合は、まずは図形を同じ形に横に並べて描くことをお勧めします。
考えることは、「同じ形になるように、比べる」ということです。
5年生の夏から、「比」が出てきます。
「比」の考え方を正確に使えるようにしていきましょう!