こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。
本日は、言語化することが大切というお話です。
ソクラテス「弟子のプラトンが言っていることは嘘だ。」
プラトン「ソクラテス先生の言っていることは正しいです。」
という会話をしました。
有名な話ですが、何か変な感じはしませんか??
ソクラテスが言っていることが本当であれば、
プラトンが言っている「ソクラテス先生の言っていることは正しいです。」が嘘になります。
プラトンが言っていることが本当であれば、
「ソクラテス先生の言っていることは正しい」になりますが、ソクラテスは
「プラトンが言っていることは嘘だ」と言っているので、プラトンが嘘をついていることになります。
そして、ソクラテス先生は嘘を言っていることになり。。。とぐるぐるお互いが言っていることが堂々巡りし、結論がでてきません。
いわゆるこれは、ご存じの通り「パラドックス」の問題ですね。
「言語」には、こういった逆説―パラドックスが生まれる「ことばあそび」もあるのが面白いですね。人は言語(音・記号)で物事を判断しています。
算数も式や記号であらわされた言語で表されています。
今日は更に、その式や記号を「言語」化、つまり、
日常的に使っている「ことば」にすることが大切であるということを
強調したいと思います。
結局は、ロジック、言語化して「理解」するということです。
何を学ぶにおいても、「〇〇だから□□」という思考が常に大事であると思います。
「○○だから□□」という「言葉」にすることを意識して指導することを心掛けています。
算数はどうしても解法に寄せられがちですが、解法は手段であり目的ではないです。
算数は「式」が「言語」でもあるので、どうしても「数式」に重きがおかれますが
そうではないということを言いたいのです。
本日の一題は、
【解法】
Aが12m先に進んでいて同時にゴールするということは、
同じ時間内に進んだ距離が分かるので、
距離の比 A:B=200m:188m =50:47
同じ時間内に進む距離の比が50:47
であれば、同じ距離にかかる時間の比は逆比になるので、A:B=47:50
Bが1.5秒遅れても同時にゴールするので、
AとBの時間の差が1.5秒
時間の比=47:50より、この差の③=1.5秒 ①=0.5秒
よって、B=0.5×50=25秒かかる
ということになります。
以上は解法です。
では、今日の大切なこと。言語化。
「〇〇だから□□」は、
ここでは、なぜ比を使うのかという疑問から始まります。
なぜ比なのかは、問題に具体的にかかっている時間が出ていないからです。
速さ、時間、距離の3つのうち、速さ、時間の2つが具体的に分かりません。
だから、比を利用するのです。
そして、比ときたら⇒同じ○○を探す という手順に移ります。
解法を見ても、「なぜ比なのか」という理由はあまり記されていません。
当たり前のように比を利用して解法が書かれています。
しかし、なぜ「比」なのかなと思いませんか?
または、何も思わずに、先生が言うからそうだよねとあきらめていないでしょうか。
疑問に思うことが大切です。
疑問に思っても、みんなの前で質問するのは恥ずかしいとか、いろいろあると思います。
個別は、こっそりその疑問を聞くことができます。
どんどん聞いてください。
「なぜ」が学問においては一番大切なことです。
ソクラテスのお話し
参考文献:『算数なるほど大図鑑』ナツメ社こどもブックス/桜井進監修/2014