こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。
本日は、「作図」について、お話ししたいと思います。
図が動くと解けない!作図が苦手という声をよく聞きます。
本日は、動く図形を、動かない点に注目することで、描けるようになる
ということをお伝えいたします。
たとえば、
実際の入試問題を使っていきましょう。
2023年度渋谷教育学園渋谷大問【1】(6)で出題された問題です。
下の図のように、1辺の長さが3㎝の正六角形を、頂点Aが直線上に戻ってくるまでを滑らずに転がします。このとき、頂点Aが通ったあとの長さは、頂点Bが通った長さより何㎝長くなりますか。ただし、円周率は3.14とします。
どうなるのか、描いてみました。
①②③④⑤ ←Aが動くときの中心
1⃣ 2⃣ 3⃣ 4⃣←Bが動くときの中心
①と⑤を中心としたときのAの弧の長さ = 2⃣と3⃣ を中心としたときのBの弧の長さ
②と④を中心としたときのAの弧の長さ = 1⃣と4⃣ を中心としたときのBの弧の長さ
となるため、③を中心としたときのAの弧の長さの分だけ長い
ということがわかります。
よって、
これは、図が描ければ解くことができます。
図を描くときのコツは、
必ず1点に注目することがポイントです。
全体の図を見てしまうと、どこがどう動いているかわからなくなってしまいます。
次に、どこを中心に動いているか、動くときの「動かない」中心を見つけましょう。
頂点Aは①~⑤を中心に動いています。
中心が①⑤のとき、半径3cm
中心が②④のとき、半径はわかりません。仮にアcmとします。
中心が③のとき、半径は6㎝
頂点Bは1⃣~4⃣を中心に動いています。
中心が1⃣ 4⃣のとき、半径はわかりません。しかし中心が②でAが動いた弧の長さと同じです。
中心が2⃣ 3⃣とき、半径は3cm
つまり、中心がわかれば、半径がどの長さかが見分けがつきます。
そして、動いた角度もどこからどこへとたどることができます。
このように、
「動かない」中心、半径、中心角
この3点セットに注目することが描くときのコツです。
長方形や正方形など、簡単な図から練習しておきましょう。