こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。
本日は、4年生以下の生徒さんに向けてお話をしていきたいと思います。
「式をつくる」という概念は、大人であれば難なくできる事柄ですが、
4年生以下の生徒さんにとっては、概念を覆さないといけないくらい
高い壁がはだかっている問題になります。
実際の授業で、3年生や4年生の生徒さんに接して考えたことを
記します。
例えば、
問題:Aさんのお父さんの体重は、Aさんの体重の2倍よりも3㎏少なく、69㎏です。
Aさんの体重は何㎏ですか。
という問題を解くとき、
大人は、Aさんの体重が分からないので、□とおいて逆算という式がパッと浮かぶのではないでしょうか。
しかし、まだ3年生など低学年の生徒さんは、何を□としていいのかわからない。
そもそも、□でおいて解くという概念がありません。
確かに、式を作ると解けるということを難なく使っている人間ってすごいなと最近思います。
式を作れば全て解けるのか、ということを思ってしまいます。
それはさておき、
逆算して□を求める手順は何か考えてみました。
まずは、
①何を□とするのかを決める
②文章で言われていることを式にする
③逆算を使って式を解く
「問われていることを□とするといいよ」と、友人から習ったことを思い出しました。
この問題では、
Aさんの体重を最後に問われているので、それを□とします。
次に、
Aさんの体重の2倍よりも3㎏少なく、と書いてあるので、その部分を式にすると、
□×2―3
となります。
それが69㎏なので、□×2―3=69です。
□=(69+3)÷2=36㎏
ですね。
□を使った式を解くということは、「逆算の式を解く」ということになります。
ここで「逆算」についてもまとめておくと、
たし算、かけ算は□が「+」「×」の前だろうと後ろだろうと
逆算は「たし算」であれば「ひき算」、「かけ算」であれば「わり算」となります。
しかしながら、「ひき算」と「わり算」の逆算は□の位置によって異なります。
□÷6=24で、÷の前に□がある場合は、逆算は□=24×6=144となりかけ算ですが、
24÷□=6であれば、÷の後ろに□があるので、逆算は□=24÷6=4となります。
□―25=45で、引くの前に□がある場合は、逆算は□=45+25=70となりたし算ですが、
60―□=20であれば、引くの後ろに□があるので、逆算は□=60-20=40となります。
というように、逆算の定義も確認しておきましょう。
以上を踏まえて、
問題2
ある数と15の和に3をかけると150になります。
□を求めなさい。
という問題では、「ある数」が分からないので、「ある数」を□とします。
次に、
文章を式にすると、
(□+15)×3=150
となります。
□+15×3=150にしないよう注意しましょう。()かっこを付けないといけません。
ここで、授業をやっていて質問がありました。
「先生、和ってなんですか??」と。
和はたし算です。
差はひき算、積はかけ算、商はわり算です。
確かに「言葉」も定義してあげないといかないと気づきました。
なんとなく使っている用語でも、低学年にとっては初めての「言葉」です。
□=150÷3―15=35が答えです。
「式を作る」という考え方は5年生後半から6年生にかけてでてくる「比の式を作る」ということにもつながってきます。算数の問題を解く上で重要な概念になるので、自由に操れるようになっておきましょう。
投稿日:2023年04月17日
テーマ: 算数