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投稿日:2023年07月10日

テーマ: 算数

処理スピードを上げるには~問題にかける時間~

こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。

本日は、
処理スピードを上げるにはどうしたらいいかについてお話をします。

いきなりですが、問題です。

問題:
Aを整数とします。1以上A以下の整数のうち、2でも3でも割り切れない数が115個あります。Aとして考えられる最も大きい数は何ですか。

今、この問題を読むのにどれくらいの時間がかかりましたか?
読みながら解法は浮かんできたでしょうか。

6年生になると、おそらくこれくらいの問題は、
読む時間は3秒から5秒くらいではないでしょうか。
字を追ってなぞるだけであれば、もしかすると3秒もしないで読んでいるかもしれません。
その、3秒から5秒で、問題の条件を頭の中に入れることができるかどうかが勝負です。
限られた時間のなかで、瞬時にポイントを掴むということが、処理スピードの向上につながります。

2でも3でも割り切れる数は、2と3の最小公倍数の6ですね。
6までのなかに、2と3で割り切れない数は、1と5です。
6個の中に2つ入っています。それを利用し、115個÷2個=57…1
57周期あるので、57×6=342
あと1個となり、343、347が2でも3でも割り切れない数なので、その1つ前
347‐1=346 これが、ぎりぎり115個あるなかで最大の数となります。

答え.346です。

今回は、問題を処理するスピードがテーマなので、次に進めていきます。

問題:
右の図のような五角形ABCDEがあります。点Pははじめ頂点Aにあり、大小2個のさいころを同時に投げ、出た目の数の和だけ反時計回りに頂点を移動します。例えばさいころを2回投げて、1回目に出た目の数の和が4、2回目に出た目の数の和が7の場合、点PはA→E→Bと移動します。このとき、次の問いに答えなさい。
image1

さいころを1回投げて、点Pが頂点Cに移動するような目の出方は何通りありますか。
さいころを2回投げて、点PがA→D→Aと移動するような目の出方は何通りありますか。

という問題があったとします。

この問題を読むのに、リード文(設問(1)、(2)を抜かして)どれくらいの時間で読むことができましたか?

自分で読んで計ってみましたが、22秒かかりました。
これは、平均より遅いと思います。
読みながら、点が動くので、どこから動くのかな、どこにいくのかな、あ、反時計回りね、とか、
1回目の和が4、2回目の和が7ね、など、図と確認しながら読むと、この22秒くらいかかってしまいました。

皆さんは、いかがでしょうか。

いろんな生徒さんを見ていて、大問(設問(1)、(2)などを伴う問題)を読む時間はだいたい30秒であるとみています。
もっと速い生徒さんもいらっしゃいますが、
個人的には、問題を解き切ることができる場合を考えると、やはりだいたい30秒ではないかと思います。

条件がたくさん書かれている問題文は、最初の30秒集中して読んで、その条件を正確に頭に入れるという作業が必要ではないかと思います。
何度も、また問題を解くときに読み返していると、そこで時間が浪費されてしまいます。

そうではなく、まず30秒の集中で、正確に入れる

という作業です。

処理スピードを速くすることは

条件を読み飛ばさない。
正確に理解する。

これが大事です。
それをするためにはやはり最初の集中力だと思っています。

問題の解答は、
点Pが頂点Cに来るのは、
出た目の和が、2か7か12です。
目の出方は、
和が2になるのは、(大、小)=(1,1)
和が7になるのは、(大、小)=(1,6)、(2,5)、(3,4)で、それぞれ入れ替えて2通りある
和が12になるのは、(大、小)=(6,6)

以上より、8通りです。

点Pが1回目に頂点Dにくるのは、出た目の和が3、8の場合
目の出方は、
和が3になるのは、(大、小)=(1,2)
和が8になるのは、(大、小)=(2,6)、(3,5)、(4,4)、(5,3)、(6,2)
の7通り。
点Pが2回目に頂点Aにくるのは、(1)より、和が2,7,12の場合だったので、8通り。
よって、目の出方は、7×8=56通りです。

ありきたりな結論ですが、
処理スピードを上げるには、
問題文を最初に読むときの集中力です。絶対に条件を読み飛ばさないぞという気合を入れて
読んでいきましょう。
解き切る生徒さんは、パッと問題を渡すと、一瞬、静寂が訪れます。
ピーンと集中して問題を読んでいる空気です。
それはだいたいいつも20秒から30秒です。
そののちに、鉛筆の走る音がやってきます。

もし、頭に入らなければ、図に描くや、線を引いたり、〇をつけたりという作業がほかにもあると思います。

例えば、
①登場人物が多ければ、A君、B君や太郎、次郎のところ
②数値、つまり、速さや個数、重さ、比、長さなど
③条件、つまり、Aは右に回る、花子は5個はじめ持っている、などなどそれぞれの条件
など、読み落としたり、見間違えたりしてはいけないところに〇をつけたり、線を引いたりしましょう。

問題の読み方も、問題を解く上で大切なことです。
解き方がわかっても読み落としたり、読み間違えたら正答にたどり着きません。
処理スピードを上げるには、問題を最初に読んだ時の集中力です。

実際の授業の中で、横でどうやって問題を読んでいるのか見ながら指導していきます。

算数ドクター