こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。
本日も前回と同様、
比を利用した問題に注目していきたいと思います。
ちょうど夏期講習も終わり、5年生は「割合」から「比」へ移行し、「比を利用した問題」を扱っている時期ではないでしょうか。
連比、逆比等いろいろありますが、文章題の中で比・割合を利用する問題、特に本日は、
割合の消去算を示していきます。
そもそも、「消去算」は、
一方にそろえて消すということがポイントです。
問題:りんご3個とみかん2個で560円、りんご2個とみかん5個で740円でした。
りんご、みかんそれぞれいくらでしょうか。
という問題があったとします。
このままですと、個数もちがうし、値段もちがうので、何も出てきません。
そこで、りんごかみかん、どちらでもいいので、どちらかに個数をそろえてしまいます。
その「そろえる」方法は、式全体を〇〇倍しても意味は変わらないという性質を使い、
公倍数にそろえるというテクニックを使います。
解説
りんご×3+みかん×2=560・・・①
りんご×2+みかん×5=740・・・②
りんごの個数をそろえるため、①の式を2倍、②の式を3倍にします。
りんご×6+みかん×4=1120
りんご×6+みかん×15=2220
りんごは6個でそろったので、1120と2220の差の1100円が、みかん15-4=11個分にあたるので、
1100÷11=100円・・・みかん1個
りんごは、①の式より、560―100×2=360 360÷3=120円・・・りんご1個
というように、どちらかの係数、式の上での係数、つまり、個数をそろえれば、
差に注目して解けますね。
それでは、比・割合が出てきたらどうでしょうか。
問題:
ある文房具屋さんでA商品を定価より2割高く売り、B商品を定価より120円安く売って合計1100円を得ました。もしA商品の方を定価より120円安く売って、B商品の方を定価より2割高く売っていれば、合計1080円になったと言います。A商品、B商品の定価はそれぞれ何円ですか。
解説:
A商品の定価をA円、B商品の定価をB円とすると、
A×1.2+B―120円=1100円
A―120円+B×1.2=1080円
それぞれの式を120円たすと、
A×1.2+B=1220円・・・①
A+B×1.2=1200円・・・②
A、Bの係数が割合ではありますが、消去算の方法を取り、
①+②=A×2.2+B×2.2=2420円
2.2で割ると、A+B=1100円・・・③
①-③ 0.2×A=120円
A=120÷0.2=600円
B=600÷1.2=500円
答え Aが600円、Bが500円
となります。
割合がでてきても、消去算の一方にそろえて消すという方法は使えますね。
まとめると、
①比・割合がともなう文章題で式を立てることができるようになること
②係数を最小公倍数にそろえて一方にそろえる
③比の①を求める
ことができれば、比・割合を伴う消去算でも楽勝でしょう。