こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。
本日は、入試問題より「ポイントを見抜く」とはどういうことかを書いていきます。
入試問題が解けるということは、何を使って解いていくかが分かるということでもあります。
計算したり、式を書いたり、図を描いて、問題を解いていくのですが、その中で、
「気づいたから解ける」を示していきたいと思います。
具体的な問題を使ってみていきましょう。
2022年度南山中学校男子部【1】(4)より
内海君は新型タブレットを買うために目標金額を決め、毎週貯金をすることにしました。1週目は1000円、2週目は1400円、3周目は1800円、‥‥というように前の週よりも400円ずつ多く貯金したところ、10週目で貯金額の合計と目標金額が等しくなりました。目標金額はいくらか求めなさい。
400円ずつ増えていくということは、差が等しく増えていくので、「等差数列」ということに気づく!
公差が400円の等差数列なので、
10週目までに間は10-1=9回 400円が足される
よって、1000+400×(10-1)=4600円
1000、1400、1800、・・・・4600までの和は、
(1000+4600)×10÷2=28000円
これが目標金額でもあるので、答え.28000円
となります。
簡単かもしれませんが、等差数列に気づけるかどうか、
ということがポイントになります。
では、もう一つ、
桐朋中より
17枚のカードがあります。はじめに、これらのカードの一方の面に1から17までの整数が1つずつ書きました。次に、他方の面に、両面の数の和が18になるように整数をかきました。
(1)カードを何枚か取り出し、机の上に並べました。見えている面に書かれた数の和は93でした。並べたカードをすべてひっくり返したところ、見えている面に書かれた数の和は177でした。何枚のカードを取り出しましたか。
(2)カードを3枚取り出し、机の上に横1列に並べました。見えている面に書かれた数の和は23でした。左端のカードをひっくり返したところ、見えている面に書かれた数の和は27でした。続けて、右端のカードをひっくり返したところ、見えている面に書かれた数の和は41でした。最後に見えている面に書かれた数を左から順に答えなさい。
(1)では、
初めに見えている面とひっくり返したあとに見えている面の和は、
93+177=270 すべてのカードの合計に気づけた!
1枚の表と裏を足したものが18
270÷18=15・・・・これが枚数 答え15枚
(2)
3枚 □□□ → 和が23
△□□ → 和が27 (□を表とすると、△は裏を表す)
ということから、
□と△(表と裏)の差が27-23=4とわかります。
□と△(表と裏)の和は18なので、ここで、和差算ということに気づけたらオッケー!
和が18、差が4 より、 (18+4)÷2=11 △=11
また、3枚 □□□ →和が23
△□□ →和が27
△□◎ →和が41
△=11なので、11+□□=27
11+□◎=41
ということより、□と◎の差は14 ここで、□と◎の和は18なので、和差算!
(18+14)÷2=16 16-14=2
よって、最後に見えている3枚のカードは、左から、11、14、16
となります。
黄色のマーカーで書いたところが、問題を解く上で気づいて欲しいところです。
問題文には、「これは和差算を利用します」とか「これは等差数列の公式を使えばいい」など一切書いてくれません。書いていないのですが、気づかないといけないのです。
算数は、解く方法を知り、それを自分で気づけるようになるまでの「練習」が必要なのです。
一緒に、たくさん練習していきましょう!