こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。
本日も「見抜く」力について、更に見ていきたいと思います。
こちらは、算数オリンピック2021 キッズBEEファイナルで出題された問題です。
問題:
図のように、たて16㎝、よこ20㎝の大きな長方形の中に正方形を2つ重なるように書きました。すると、新しくできた3つの長方形のまわりの長さはすべて同じになりました。
(1) 正方形が重なっている部分の周りの長さは何㎝ですか。
(2) 正方形が重なっている部分の面積は何㎠ですか。
(1)は、簡単でしょうか。
3つの長方形を確認し、その長方形のたて、横の長さをそれぞれたすと、
全ての和が、20㎝が2本と16㎝が2本できるので、
(20+16)×2=72
3つの長方形のまわりの長さは等しいので、72を3で割ると一つ分の長方形のまわりの長さになります。
72÷3=24㎝
次に(2)は、ピンクの正方形の1辺を★、みどりの正方形の一辺を〇とおいて、
重なっている分の長方形のたてをア、よこをイとします。
★+〇―ア=16㎝
★+〇―イ=20㎝
です。
ア+イ=12㎝なので、
★★+〇〇―(ア+イ)=20+16
★★+〇〇=36+12=48
★+〇=24
24-16=8・・・ア
24-20=4・・・イ
となり、4×8=32となります。
これは、式を利用するという考えが必要になり、3年生にとっては、
やや難しいテクニックになります。
一旦、求める答えとは切り離して、等しいということを利用した式を作ることが
出来るかが問われています。
与えられている情報をもとに、論理的に式を作って解いていくことが求められています。
では、次に、式やテクニックというよりも、柔軟な思考が必要である問題です。
問題:
あるルール通りに数字が書いてあります。
(あ)、(い)、(う)に入る数字を答えましょう。
算数オリンピック2019 キッズBEE トライアル
こういう問題を出題すると、
大人は、列や行で規則性、等差数列やグループに分けるなどいろいろ知っているので、
どれかな?と当てはめていきます。ただ、その考えだとこれは求めることができません。
そうではなく、柔軟な発想です。
ある生徒さんにこの問題を出したところ、
10秒くらい考えて、1の出てくる回数、2の出てくる回数、3の出てくる回数、
4の出てくる回数、5の出てくる回数を数え始めました。
そういう発想か!と思い感動しました。
確かに、回数の差に何かヒントが隠されているかもしれません。
全体を見渡すことができているなと感心しました。
細部を見ることも大事ですが、全体を見渡して何か言えることはないかと
考える発想はすごく新鮮でした。
そうです。これは、全体を見て、
ぐるぐる回っている!ということに気付けばいいのです。
(あ)=2、(い)=1、(う)=5
こういった問題は、テクニックというよりも柔軟な発想ですね。
ぐるぐる回っている
ということに気付くということです。
全体を見渡すこと
今回のポイントをまとめると、
①与えられた情報をもとに論理的に式にする視点
②全体を見渡せる視点
この①②の両方を持つことです。