こんにちは。
受験Dr.の科学大好き講師、澤田重治です。
いよいよ明日は2月1日、東京・神奈川の入試開始日ですね。
あと1日ではたいしたことはできない……なんて思っていませんか?
お子さんの学力は直前まで伸び続けますから、
ぜひ最後まで気を緩めずに頑張ってください。
一方で、長い時間努力を積み重ねて作ってきた学力も、
気持ちの持ち方ひとつで発揮できたりできなかったりします。
その重要性を分かってほしいので、
今回は、私が子どもの頃に自分自身の受験で経験した
ちょっと不思議な出来事について話したいと思います。
究極のプラス思考?!
私自身は中学受験をしておらず、高校受験での出来事ではあるのですが、
中学受験でも起こり得ることなので聞いてください。
当時、受験4ヶ月前になって急に受けることになったチャレンジ校が3つあり、
いずれも模試で 「合格の可能性…30%未満」 という判定が出ていました。
「30%」ならまだしも、「30%未満」となると、極めて厳しい判定です。
限りなく0%に近くても、帳票には「30%未満」と表記されるのですから……。
これらの学校は、当然のように「再考圏」に入っていました。
しかし、当時の私は、模試結果の見方や受験に対する知識がまったくありませんでした。
そのため、「30%未満」という表記を見て、こんなことを考えていたのです。
「未満」って、そんなあいまいな書き方じゃよく分からないじゃないか!
まあ、仮にほぼ30%だったと考えると……それって約3分の1ということだから、
3校受けたら1校くらいは受かるっていうことだな!
究極のプラス思考というか、楽観主義というか……
無知って恐ろしいですよね。
でも、当時の私は本気でそのように考えていたのです。
「未満」って、そんなあいまいな書き方じゃよく分からないじゃないか!
まあ、仮にほぼ30%だったと考えると……それって約3分の1ということだから、
3校受けたら1校くらいは受かるっていうことだな!
究極のプラス思考というか、楽観主義というか……
無知って恐ろしいですよね。
でも、当時の私は本気でそのように考えていたのです。
勘違いが生んだ暗示効果
実際の入試はどうだったかというと、やはり厳しい結果になっていました。
3つのチャレンジ校のうち2つが終わり、いずれも手も足も出ない状態で玉砕。
いよいよ最後のチャレンジ校を受ける日の朝です。
普通なら弱気になっていそうなものですが、超プラス思考の私は違います。
「3校に1校は受かるはずだから、いよいよ今日がその日なんだ!」
と、相変わらずお気楽な考え方をしていました。
その日、私が試験前に考えていたことを列記してみます。
・どれだけ倍率が高くても、今日は合格する日だから大丈夫。
周りの人たちは、僕の代わりに落ちるために集まってくれたんだ……ありがとう。
・僕は受かるはずだから、僕が分からない問題はきっとみんなも分からないのだろう。
ミスさえしなければ必ず合格点に届くはずだ。
・他の受験生がどれだけ勉強してきたか知らないが、この4ヶ月の努力は誰にも負けない。
これだけ頑張った僕を神様が見放すわけない!
我ながらあっぱれなお気楽発言ばかりですが、
この強い思い込みが思いがけない奇跡を生み出すのです。
テスト開始――その瞬間、世界のすべてがなくなった
おそらく、自分を信じる強い気持ちが意識を心の深いところに向かわせ、
軽い自己催眠の状態になっていたのだと思います。
入試当日になって、私は経験したことのない深い集中状態に入りました。
試験監督が「始め」という合図をした瞬間に、
暗闇の中で自分だけにスポットライトがあたっているかのような、
この世界に、自分と問題用紙しかないかのような感覚になったのです。
実は当時、この学校の過去問を何年分もやりましたが、
一番得意なはずの数学で、一度も時間が足りたことがありませんでした。
しかし、この日は問題を見た瞬間に、次々と解き方が頭の中に浮かんできます。
図形の問題などは、図が目に入っただけで問題文も読まないうちから、
何を聞かれるのか? それはどのようにすれば求められるのか? が
スラスラと出てくるのです。
まるで、数学の神様が降りてきたような気分でした。
しっかり問題文だけ確認したら、忘れないうちに解かなければならないので、
テスト時間を気にする暇もありません。
どんどん解き進んで全問解き終え、
時計を見たときには制限時間の半分も経っていませんでした。
結果は合格――本当に、大逆転の合格と言って良いでしょう。
深い集中力が自分の中の新しい扉を開けたのだと思います。
受験生の皆さん
最後まであきらめない集中力で、努力の成果を発揮されることを願っています!