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投稿日:2017年12月07日

テーマ: 算数

禁断の裏技?“メネラウスの定理”

皆様こんにちは、受験ドクター算数科のRS講師です。

さて、今回のテーマは、受験算数では裏ワザ扱いされている、「メネラウスの定理」というものを紹介しましょう。
実はこの裏ワザ、算数教師の間では賛否両論のある方法なんです。
教えない派の先生の考え方としては、「メネラウスの定理が直接的に使える問題なんてほとんど出ない」「基本の相似形、面積比をしっかり使いこなせるようになれば必要ない」「裏ワザに頼るのは邪道だ。むしろ弊害の方が大きい」というところでしょうか。

はい。その通りです。
別に知らなくても何とでもなります。というか、何とでもできるようになっていなければ、入試に出題される図形の問題でとても苦労する事になるでしょう。
私も習ったのは、高校の数学の授業でした。・・・が、

私としては、教えることのメリットのほうが大きいんじゃないかな?と思っているのです。
たしかに、直接的に使える問題はほとんどありませんが、入試問題を解いていると、「あ、ここの比を求めたいけど、補助線書くのが面倒、比合わせが面倒」ということがかなりの頻度で出てくるのです。
それは図形の問題に限らず、ダイヤグラムのなかに出てくるようなこともあります。そのような時にいちいち“ベンツ切り”や“角だし”で最適な図形を見つけるのに時間をかけるのも惜しいというような場面があります。
あるいは、算数的なスマートな解法が見えないけど、何となくメネラウスの定理で処理したらゴリ押しで解けるんじゃないか?というような見通しが立つような問題もある。
あくまで補助的な知識としてなら、知っておくことに超したことはない。
そう考えているので、私が担当した生徒さんたちには何処かのタイミングで、この定理を教えてあげることにしています。
頭に入れるのに必要な時間は10分です。早い子は5分もあれば充分でしょう。
10分で覚えられることを覚えずに後悔したくはない。

メネラウスの定理。
こんな定理です。

メネラウスの定理

三角形の頂点の2つから、図のように対辺に向かって直線が引いてあります。
このようなときに、次の式が必ず成立します。

メネラウスの定理 2

最初は、この矢印の順番がなんとなくややこしく感じてしまいます。
この図形を捉える際に次の事を意識して下さい。
① 2つの比が与えられているときに、3つめの比が求められるということ。
例えば、ア:イ、(ウーエ):エが与えられていれば、オ:カは式に当てはめるだけでわかるということ。
② オ:カを求めるときは、最後に通るのがオとカ。だから始めるのは頂点Aから。と覚えておきます。

パターンをかえていろんな図形で、矢印の順番を確認してみましょう。

メネラウスの定理 3

もとめたい比がEF:FCの場合です。
最後にEF→FCと、通ってくればいいですね。
なので、スタートの点はCからです。

メネラウスの定理 4

もう1個やってみましょう

メネラウスの定理 5

最後に通る辺を確認して、そのゴール地点がスタートするポイントです。

メネラウスの定理 6

どうでしょうか。慣れてきましたか?
どうしても覚えられない人は、こんな方法も・・・・(笑

メネラウスの定理 7

キツネの顔を探して、片方の耳から初めて、また始めたところに戻ってくるってことですね。

さて、今回はこのへんにしておきましょう。
次回は、これを実際の問題ではどんな感じで利用していくのかの実例を示してみましょう。

ではでは〜(^.^)/~~~

算数ドクター