あけましておめでとうございます。
いよいよ受験が近づいてきましたね!
受験ドクターの教室も緊張感の高まりを感じる日々です。
ここまで頑張ってきた我がドクター生たち。
みんなあと少しだ。頑張ろう!
というわけで、受験ドクター算数科のRS講師です。
さて、前回は「メネラウスの定理」という図形の裏ワザを紹介しました。
お読みでない方は是非前回の記事を読んでから今回の分を読んでいただければと思います。
今年の一発目は、昨年からのネタを引きずる形でメネラウスの定理実演編と参ります。
メネラウスの定理がちょっとした役に立つ問題・・・
その例として、今回は武蔵中学校の過去問からひとつ紹介したいと思います。
【問題】武蔵中学校(2014大問3)
下の図で、四角形ABCDは長方形で、
四角形BGDEと四角形BFDHはどちらも
平行四辺形です。
四角形BQDPの面積は長方形ABCDの面積の
1/2で、BP:PH=4:1です。
(1)AH:HDを求めなさい。
(2)EP:PD、AE:EBをそれぞれ求めなさい。
(3)(省略)
では、解説してみましょう。
(1)は難しい問題ではありませんね。
まず、平行四辺形HBFDにおける、平行四辺形PBQDの割合について考えます。
(2)ここから少し難しくなります。
AH:HD=3:5、BP:PH=4:1 この2つの比を用いて、AE:EB、
およびEP:PDを求める事が出来るわけですが、正攻法でいくならば、補助線を引くことは避けて通れません。
どんな補助線が必要か、イメージできますか?
↓
↓
↓
↓
↓
例えばこのような引き方になります。
長方形の左に大きく突き出すようにツノを出して相似を作ります。(“ツノ出し”と呼ばれる引き方ですね)
この相似形△PRBと△PDHは、BP:PH=4:1と対応するので、
さらに、△REBと△DEAも相似となっていますので、
この2つの三角形の相似比→RB:AD=20:8
が、EBとAEの比と同じになります。従ってAE:EB=8:20=2:5となるわけです。
なかなか大変ですね。
このあと、まだEP:PDを求める必要がありますので、RE:EDとRP:PDの比を合成して・・・というような作業が残っています。
RE:ED=5:2、RP:PD=4:1なので、RDを7と5の最小公倍数35と考えて、
RE=25、ED=10、RP=28、PD=7ですので、EP:PD=3:7ですね。
さらっとやっちゃいましたが、相似形はつくるは、比合わせはあるは・・・なかなか煩雑な問題です。
補助線の引き方は他にもあります。
Hから真っ直ぐ下に下ろして、△HPRを作る方法です。
こうすると、△HRPと△BEPが相似になるので、これを利用して、AE:EBを求めます。
ツノ出しは外に大きく張り出すので、私はこちらの方法の方が好みです・・・
そんなこと聞いてないって?まあ、どっちでもいいですが、このような相似形を作る方法は、慣れてくればさほど大した作業でもないのですが、結構これがなかなか引けるようにならない・・・というお子さんは多いのです。ましてやこの問題の作業量の多さ・・・これが、上記正攻法できちんと解けるお子さんの図形の力は、かなりのレベルにあると言って良いでしょう。
学習にはとても良い問題だと思います。相似の補助線はどのように引くべきかなどいろいろなことが学べる良問ですね。
ですが、試験の場で求められることは、まずこの問題の解答を求める事にあります。
前振りが大分長くなっちゃいましたが、この問題。
メネラウスの定理を使うと瞬殺なんです。
メネラウスの矢印がこんな風に配置されます。↓
うまく見えましたか??
さあ、この矢印の通りに例の分数式を作って見ましょう。
なんというやっつけ仕事。
いやいや。れっきとした正しい解き方ですから、途中式としてもきちんと認められますよ。
EP:PDもメネラウスの定理でやっつけてしまいましょう。AE:EB=2:5となったことを利用して、
この図形の中にメネラウスの形を意識できるようになるには少し練習が必要ですが、地道な正攻法に比べてかなり楽に終わらせることが出来ます。
試験会場でこの方法を取れれば、他の問題につかえる時間も増やせるでしょうし、この問題は取れた!という安心感にもつながって、精神衛生的にもバッチリです。
・・・というわけで、禁断のメネラウスの定理
もっといろいろと紹介したいのですが、超多忙な時期・・・ということでご容赦ください(^_^;)
また機会があれば、違う問題もやってみたいと思います。
ではではー(^_^)/~