いよいよ2月1日が目前に迫ってきました。
受験ドクターの教室の熱気も最高潮です。
と、同時に普段はひょうきんなキャラで笑わせてくれるような男子生徒もここ数日は普段の笑顔も影を潜め・・・大分緊張してきているな〜という感じです。
やはり、本命校の入試の緊張感というものは、これまで数多受けてきた塾のテストや模試とは全く違うものなのだとあらためて思います。
ここからが本番という受験生も多いことと思います。
今日は、「入試本番で緊張しない方法」を皆さんにお伝えしたいと思うのですが、
実は、緊張しない方法などというものは存在しません!( ・`ω・´)キリッ
それよりも緊張とはどういう物かということを科学的に捉えて、それを味方に付けてしまおうというのが、今日のお話です。
① そもそも「緊張」って何なの?
敵を知り己を知れば百戦危うからずと昔から言いますが、問題を克服するためには、まずはその姿を冷静に捉えることが大事です。
緊張するといくつかの体に対する変化が起こっています。
「心臓がドキドキする・手や足が震えてくる・呼吸が苦しく感じる」などです。
このとき、私たちの体にはいったい何が起こっているのでしょうか。
その答えは、「自律神経系」の中にあります。
自律神経は体の各部に広がる、「人間が自分の意識でコントロールできない神経」の総称で、私たちの体の働きを自動的(自律的)にコントロールするために備わっている機能です。たとえば、物を食べると、唾液がでたり、胃液がでたりして食べ物の消化を行いますよね。
これは、べつに「胃よ動け!」と思わなくても、胃が勝手に動いて食べものを消化してくれるわけですね。あるいは、暑い日には汗を出そうなどと考えずに勝手に汗が出て体温が調節されています。このように意思とは無関係に働いて人間の生命活動をサポートすることが自律神経の役割です。
また自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分かれていて、「交感神経」が昼に活動したり悩んだりするときに働く神経、「副交感神経」は夜休むときに働く神経です。
私たちが「緊張」しているとき、この「交感神経」にアドレナリンという物質が分泌され、それが血液にのって体中を駆け巡っています。これが、いわゆる「緊張」したときの体のいろいろな現象を引き起こしているのです。
なんでそんな迷惑な物質が、勝手に体の中に出てくるのでしょうかね?
実はこれ、人間が動物だったころ(いや、いまでも動物なんですが)の名残なのです。
アドレナリンは「逃走と闘争」のホルモンと言われていて、動物が敵から身を守ったり、逆に獲物を捕まえるときに体の機能を瞬間的に増大させるときに分泌されます。
たとえば、頭上から岩が転がってきて「危ない!」と感じたとしましょう。
それをかわして受け身を取るのに多少の痛みがあったとしても、岩を避けなければ死んでしまうかもしれません。体に多少の無茶がかかったとしても、命には替えられないというような時に、人間の体は、瞬間的に痛みを感じなくしたり、大きな瞬発力を発揮できるようになっているのです。
アドレナリンが分泌されると、動物は興奮状態になり、口の中が乾いたり、筋肉がこわばって震えたりというような状態になります。
これが「緊張」というものの正体です。
② 緊張=悪いことではない
人間は普段、命の危険にさらされることは少ないので、緊張=悪いことと捉えてしまいがちですが、上で説明したように、緊張というのは、動物が生きていく上で、自分の命を守るためにあらかじめ備わった機能なのだということが分かったと思います。
動物は入試を受けませんが、人間にとって入試は自分の人生を左右するとても大きなイベントです。そのことが意識的にせよ、無意識的にせよ人間は分かってしまうから、テストの場は緊張してしまうわけですね。
③ 緊張を味方に付けよう
緊張すること自体は、人間という動物である以上、そして入試というような人生を左右するかもしれないような大きな場面では避けようがありません。
そのような場でまったく緊張しないとしたら、もしかしたら体の何処かがおかしいのかもしれませんからね(^_^;)
だから、緊張するということ自体を否定するのは止めましょう。
否定しようとすると、そのこと自体がまた別の緊張を生み出す事になります。
緊張しているときこそ逆転の発想です。
1.緊張している自分を認める、受け入れる
緊張そのものは体が自然と働いている証拠なのだと考えてみましょう。
「あ〜、いま自分は緊張しているな〜・・・」と“認めて”、“受け入れ”ることでそのように考えることが出来ると思います。
緊張している自分から少し離れて、客観的に見るというような感じでしょうか。
これだけでも、すこし緊張感が薄れていくのを感じる人もいるかもしれません。
2.すべてに感謝すること
自然な反応によって、大事な場面に備えようとしている自分の体に感謝の念を感じてみて下さい。なんだか、自分が頼もしく感じられてくるはず。
そしていままで自分のために色々と惜しみない協力をしてくれた保護者の方、塾の先生、あなたの受験生活を支えてくれた色々な人がいると思います。
その人達のことを思い出してみましょう。
いろいろな人に支えられていま自分はここにいる。
あらためて考えてみるコトで感謝が湧き出てきて、同時にテストに向かっていく勇気が湧き出てくるのを感じる事が出来ると思います。
3.やるべきことを1つだけ思い出す
いまから受ける科目は何でしょうか?
例えば算数なら、試験前にいろいろなアドバイスを受けたかもしれませんね。
「あれもこれもしなければならない」なんて考えると、それはまた緊張を生み出してしまいます。
すらすらと思い出せるのでしたらいくつでも思い出せば良いですが、無理に色々と思い出す必要はありません。
やるべきことを1つだけ思い出しましょう。算数だったら、「0と6を書き間違わないように気を付けよう」とか、国語だったら「漢字の止めはねを気を付けよう」なんていう簡単なことで大丈夫です。
いままでいやというほど勉強してきたのです。今更あらためて気を付けるまでもなく、それは体に染みついているものです。自分を信じましょう。
さて、いかがでしょうか。
緊張しない方法なんてない。むしろそれを認めて味方に付けてしまいましょうというお話でした。
これを読んだすべての受験生に春が訪れますように・・・