どうもこんにちは。
受験ドクター算数科のRS講師です。
だんだん日中は暑くなってきた今日この頃。
なのに、夜はそれなりに冷えるので、実は私この時期が一番風を引きやすいんですよね・・・・(――;)
寝る前は暑いから薄着→冷えないようにと思って厚めに布団をかぶる→寝てる間にけとばす→冷える→風邪
毎年このパターンで風邪引きます。_| ̄|○
でもまだ引いてないのです。
もしかしたら、冬の体調管理がよかったからかな?なんて思う今日この頃です。
さて、本日のお題。
「つるかめ算は面積図で解くな!」
なんとも過激なタイトル・・・(笑
結構な数の塾でつるかめ算は面積図で教えられることが多いですよね。
もちろん最初からイキなり面積図というところは珍しいと思うのですが、4年生の途中につるかめ算が出てきたら、相当早い段階で面積図の解き方に移行するという塾もあります。いずれにせよ、4年生の段階でつるかめ算=面積図で解くというドグマに染まっている生徒がほとんどになります。
これをお読みの皆様もつるかめ算は面積図解くものだというふうに思っている人は相当数いると思います。
ですが、長年算数を教えてきて、つるかめ算は面積図で習うことによって、メリットよりも“弊害”の方が大きいように思うのです。
今回は、つるかめ算の面積図による功罪にスポットを当ててみたいと思います。
つるかめ算とは
問題:鶴と亀が合わせて10匹います。足の数は合わせて26本だとすると、亀は何匹いますか?(鶴は羽、亀は匹ですが、ここではどちらも匹で数えることにします)
このような問題がつるかめ算と言われるものです。小学生の時に算数で習わなかった方は中学に行ってから、方程式で習った人もいると思いますが、ここでは方程式を使わずに算数ではどのように教えるのかを見ていきましょう。
①つるかめ算の導入…表を書いてみる
合計が10匹ということは分かっていますから、答えは(つる、かめ)=(0匹、10匹)、(1匹、9匹)、(2匹、8匹)、(3匹、7匹)…(9匹、1匹)、(10匹、0匹)のどれかになることは間違いありません。この中のどれが正しい答えかは、実際にこの中のどれかを選んでみて、検算をして足の数がちゃんと26本になるかを確かめればよいのです。
もし、最初の(つる、かめ)=(3匹、7匹)を選んだ場合、足の数は
2✕3匹+4✕7匹=34本となります。端っこから11通り全て求めてみましょう。
表に整理すると見やすいです。
答えはつる7匹、かめ3匹 と分かりました。
この問題は答えが11通りの中の1つだということが分かっているので、すべて書いてもそれほど手間ではありませんが、数が増えてくると大変になります。そこで、この表の一番右の数字に注目してみてください。
1番上は40から始まり、2本ずつ答えが変化していることが分かりますね。
つるとかめを一つずつ数を入れ替える毎に、40→38→36→…と変化していくこの性質を利用すれば、どの行で答えが26本になるのかは計算で求められます。
40―26=14、14÷2=7なので、最初の(0、10)という行から、7つ下に下がったところが答えだと分かります。
(※逆に(10、0)から3つ上がったところだということも計算で出来そうですね)
このように、つるかめ算は表を書いたときのある行から、目標の数値(この問題だと26)に達するには、何行分変化させればよいか?ということを考えることがもっとも基本的な解法となります。
②面積図による解法
さきほどの問題を面積図で考えるときは次のように考えます。
上の線分図をご覧下さい。
あれ?これは面積図じゃありませんね。
つるの数とかめの数は合わせて10匹なので、どこまでがつるで、どこからがかめかというのを線分図で表しました。
ですが、このままだと足の数についての情報がまったく反映されていません。
この線分図に足の数の情報を書き込むにはどうしたらよいのでしょうか?
そこで、この図を平面的に(2次元)に拡張して、頭の数と足の数を同時に表そうとしたものが、面積図ということになります。
すこし難しい話になりますが、1次元(線)は上の線分図のように、1種類の情報しか管理することができません。
これを、横と縦の両方を使う事によって頭の数と、足の数という2種類の情報を同時に表現できる図になるのです。これを面積図と呼びます。
このように書くと、四角形が2つ現れます。この四角形(長方形)の面積は何を表しているでしょうか?
長方形の面積は、「たて」×「よこ」で表すことはご存じだと思います。
つまり、ここでは「1匹あたりの足の数」×「つるの数」=「つるの足の合計」(緑の長方形の面積)ということになるわけです。
この図を書くときに気を付けて欲しいことは、縦の長さは、動物一匹あたりの足の数であるということです。つるの足の合計の数ではありません。
さて、緑の長方形、青の長方形がそれぞれの動物の足の数の合計を表すことが分かったと思います。ですが、それぞれの長方形の面積がいくつになるかは示されていません。
示されているのは、足の数の合計が26本であるということだけです。
この情報を面積図に反映してみましょう。
L字型の図形の面積が26ということですね。
ここから、つるの数とかめの数を求める事はできるでしょうか?
次のように考えていきます。
上のように青い線を補ってみると、大きな長方形ができます。
大きな長方形の面積は、4×10=40本です。
つぎに大きな長方形から赤枠の26本を引くと、青い線で補った部分の面積がわかります。
40―26=14本です。
この長方形のたての長さは、足の数の差である、2本です(4-2=2)
面積が14本で、たてが2本とわかれば、横の長さは14÷2=7と分かりますね。
以上からつるの数が7匹とわかるわけです。(かめは10―7=3匹です)
以上が面積図による解法ですが、長方形を書いて視覚的な情報から処理していくという部分が①と根本的に異なる部分です。視覚的な処理なので、面積の問題が理解出来る子であれば非常に直感的、視覚的なこの方法でつるかめ算が解けます。
速さのつるかめ算や仕事算のつるかめ算も、たて、よこ、面積がそれぞれ何に対応するかを考えることができれば、この方法で解ける問題がほとんどです。
向かうところ敵ナシ。やっぱり面積図、最強じゃないですか。
つるかめ算=面積図でした!(結論)
って、いったい最初のタイトルは何だったんだいう話になりそうですが、もちろん今から面積図のマイナス面のお話になるわけですw
でも、ちょっと長くなりすぎてしまいそうなので、今回はここまでにして、
2回構成に変更します(無計画)
次回は、面積図のもつ「致命的欠陥」についてお話しましょう。
ではでは~(^_^)/~