みなさんお元気ですか?!
受験ドクター算数科のRS講師です。
受験生にとっての天王山である、夏休みが終わりましたね。
みなさん勉強は充実できましたか?
2月1日まで、あと140日!
短いようでまだ100日以上あります。計画的に取り組めばまだまだ挽回のチャンスありです。
受験ドクター講師陣も気合いを入れて後半戦に臨んでまいります!
さて、前回「わからない」ことが絞り込む条件になるという問題を扱いましたが、
今回は調子に乗ってその続きという事で、もう少しこのネタで引っぱります!
ゴメンナサイ、どうしても書きたかったんです(^_^;)
さて、今回はこのような問題
王様が二つの異なる自然数を頭に思い浮かべた。
王様はその二つの数の「和」を従者Aに、「積」を従者Bに教えた。
そして、王様は従者にこう尋ねた。
王様「お前達にはワシの考えた二つの数が何か分かるか。」
従者A「分かりません」
従者B「分かりません」
従者A「分かりません」
従者B「分かりません」
従者A「分かりません」
従者B「分かりました」王様が頭に思い浮かべた数とは何だったのか?
いやいやいや、ちょっと待って。
「分からない」って言ってるだけで、なんで突然わかるの?!
・・・って前回と同じような声が聞こえてきそうな問題ですね。
答えを先に読んでしまうと、「なーんだ」となる人も多いと思うので、
まずは、自分の頭で粘って考えてみてください。
・・・・・
はい。では解説していきましょう。
今回も、「分からない」ということから、削られていく選択肢が何か?
を考えていく問題です。
それぞれのセリフから何が削られていくのか、考えてみましょう。
ここでは王様は、二つの自然数を思い浮かべています。
仮に王様の思い浮かべた数が、(1、2)だったと仮定してみましょう。
この場合、和が3で積が2となります。
この場合、従者AもB両者とも何の問答もせずに、王様の浮かべた数が分かります。
なぜなら、和が3になるのは(1、2)しかありませんし、
同様に積が2になるのも(1、2)しかないからです。
二人の従者は最初「分からない」と言っているわけですから、王様の考えた数は(1、2)では「ない」ということがわかりますね。
さて、今回も前回と同じように表を作ってみましょう。前回の「シェリルの誕生日」では、月と日を知っている2人の情報を合わせるという意味で、縦に月、横に日をとって表を作りました。
しかし、今回は王様が浮かべた数が、XとYの2種類、さらにそれを和と積にしてAさんとBさんに教えています。どのような表を書けば良いでしょうか。
正解は、「2つの表」です。
このようになります。↓
表の縦と横は王様が思い浮かべた、2つの数を表しています。王様の思った数は1〜12に入るとは限りませんが、とりあえず範囲を限定してみましょう。
また、表の中は、Aの表においては、それぞれの数を足した数(和)、Bの表ではそれぞれをかけた数(積)が書かれています。また、1+2と2+1は同じペアの数なので片方は省略するために黒く塗りつぶしておきました。
和の表を見てください。和が3となる組み合わせは(1、2)しかありませんね。
王様がAに「3」と教えた場合に答えがすぐに分かってしまうのは「3」が1つしかないからです。
この表の中で和の24なども1つしかありませんが、これは便宜的に1~12に絞っているからで、24になる足し算は、12+12以外にも、11+13などもあるので、この範囲には書かれていないだけと思って下さい。
さあ、ではこのように1つしかない数字を小さいほうの数字からどんどん消していきましょう。
いまAのセリフから消える候補を消しました。(表の緑になったところ)
ここでポイントは、Aの表から和の2と3が消えるということは、同じ位置にあるBの1、と2も消えるということです。(区別するために、ナナメ線にしてあります)
同じようにBの発言から消えた候補は、Aの表でも同じ場所を消していきましょう。
このように、交互にお互いの発言から消えていくものをどんどん消していけばよいのです。
さて、結果は次のようになります。
① Aの発言 → 緑が消える(同時にBの表も緑の所が消える)
② Bの発言 → 青が消える
(この発言では素数がすべて消えますね。なぜなら素数は「1✕その数」という式でしか表せないからです)
③ Aの発言 → 赤が消える
(先ほどのBの発言で和の表に2つあった「4」の数字のうち片方が消えているので、これで特定出来ないのは教えてもらった数が「4」ではないからです)
④ Bの発言 → 黄色が消える(このときに積の表に1つしかない「5」が消えます)
⑤ Aの発言 → 茶色が消える(このときに和の表に1つしかない「5」が消えます)
⑥ Bの発言 → この段階で積の表に1つしかない数は、6です。
したがってこの瞬間にBが「1×6=6」として王様の数を特定出来ることになります。
※ただ、このときBも分からないと発言してしまった場合は、解不能になります。
Bがここで分からないと言った場合には(1、6)が消えますが、この次にAの発言では、すべての和が2個以上残ってしまうので、Aの発言から消去できる候補がなく、その結果Bもなにも消去できないということになるからです。
はい。以上から王様の選んだ数は、(1、6)だったということがわかりました。
この問題も昔からある有名な問題の1つですが、解法(手法)を理解してしまうと、いともアッサリと解けてしまうという問題はよくあります。
このような問題はどちらかというとマニアックな問題に分類されますので、躍起になって勉強する必要はありませんが、いざ入試問題に出題されてしまったときは、「知っている」「知らない」で命運が分かれます。
でも、受験ドクターのブログを読み続けている人は、そういう知識に触れる機会も自然と多くなるので、試験会場で幸運の女神が微笑むかもしれませんね(笑
と、いい感じに宣伝も出来たところで、本日のお話はここまで。
ではでは~