こんにちは、受験ドクターのRS講師です。
今年の夏はホントに無慈悲な暑さでまいりました。
これってやっぱり温暖化のせいなのか?と思ったりもしますが、ホントに二酸化炭素が犯人なのかについては、実はまだ諸説あり、否定的な意見をもつ学者も沢山いるそうです。
まあ、世の中が温暖化とビジネスが結びついてしまったところから、犯人が二酸化炭素であってくれる方が都合がいい人が沢山いるというのは間違いないようです・・・
しかしながら地球環境がおかしくなってきているのは間違いない事実。
われわれ庶民ができることは限られていますが、環境に負荷をかけずになんとか人類が継続していける方法を模索していくしかありません・・・。
ここのところ、初心者用の入門シリーズがつづいているので、今日はすこし上級者向け。
「タイル並べ」のお話をしたいと思います。
タイル並べとフィボナッチ数列の関係、どこかの問題で触れたことがある人が多いかも知れません。
ただ、これがなぜフィボナッチ数列になるのかをきちんと説明できる生徒が意外に少ない。
今回は、その辺りの「なぜ」ということもきちんと解説し、さらに少し応用的な問題へ発展させた考え方もご紹介しましょう。
〈問題〉1㎝×2㎝の大きさのタイルが何枚もあります。このタイルを組み合わせて、たて2㎝、横□㎝の長方形をすきまなく敷き詰めます。つぎのそれぞれの場合について敷き詰め方は何通りあるか答えなさい。(図は横が4㎝の場合の一例です)
(1)横が2㎝の場合
(2)横が3㎝の場合
(3)横が4㎝の場合
(4)横が5㎝の場合
さて、答えは(1)から順に2通り、3通り、5通り、8通りとなります。
フィボナッチ数列ですね。(1)は当然書き出せるとして、(2)は3つ書けば終わりですから、これも簡単。
(3)は少し難しいですがこれも5つ(下図)ともしっかり書き出してしまって、2通り,3通り,5通り・・・あフィボナッチね。じゃあ(4)は8通り!
……いやいや、ちょっとまてーい!٩(๑òωó๑)۶
こんな乱暴な理解の仕方では、すこし改変されて出題されると全く解らなくなってしまいますよ!
確かに2、3、5…と来た段階でフィボナッチ数列の可能性は濃厚ですが、もしかしたら差が1、2、3…という階差が等差数列になっているのかもしれません。
(3)を解くにあたっては、これまでの並べ方が、次の並べ方にどう影響するのか?ということについてしっかり検証してみましょう。
横が2㎝のときは、下の2通り。
横が3㎝のときは、下の3通り。
ですね。
フィボナッチ数列というのは、前2つの項の和が、次の項をつくる数列ですので、この2つをもとにして4㎝の長さの場合を考えることができるハズ。
つまり、2㎝+2㎝=4㎝、3㎝+1㎝=4㎝とすればいけるんじゃないでしょうか。
はい。とりあえず2㎝+2㎝のパターンを全部書いてみました。4通りできましたね。
では、次に3㎝+1㎝のパターンを全部書いてみましょう。
3つできました。
ということで、4通り+3通り=7通り。
ってあれ?書き出したときは5通りだったので、おかしいですね。答えが一致しません。
上の考え方は何がマズイのでしょうか?
その理由は、点線でかこまれたこの2つです。色は違いますが、タイルの並びは同じになってしまっていますね。なので、やはり5通りが正解です。
結局、付け足す2㎝の部分を、 としてしまうと、1㎝付け足しのタイルは縦向きしかないので、必ずダブってしまうことになります。2㎝を付け足すのは、のパターンだけにしないといけないのです。
つまり2㎝+2㎝付け足しパターンは前半2㎝の部分とのどちらかに、後ろの2㎝を付け加えたものになるので、2通りとなるわけです。
以上を整理すると、やはり2㎝+2㎝が2通り、3㎝+1㎝が3通りということで、合計5通りとなりました。
(4)ここまでがしっかり解れば、次も問題ないですね。5㎝は、
ア:3㎝+2㎝、イ:4㎝+1㎝ですので、
アのパターンは
以上の3通り、
イのパターンが先ほどの4㎝のときの並べ方にを付け加えるだけなので、5通りです。
以上より3+5=8通りとなるわけです。フィボナッチ数列ということで問題ありませんでした。
さて、では少し問題を複雑にしてみましょう。
〈問題〉1㎝×3㎝の大きさのタイルが何枚もあります。このタイルを組み合わせて、たて3㎝、横□㎝の長方形をすきまなく敷き詰めます。つぎのそれぞれの場合について敷き詰め方が何通りあるか答えなさい。(図は横が5㎝の場合の一例です)
(1)横が3㎝の場合
(2)横が4㎝の場合
(3)横が5㎝の場合
(4)横が6㎝の場合
さて、では全部解説するのは次回にするとして、最初はすこし一緒に考えてみましょう。
まず、(1)はの2通りは大丈夫ですね。
(2)は4㎝なので、3㎝+1㎝ですが、逆の足し算もできますね。
2㎝+2㎝という足し算もできますから、もあります。
ですが、3㎝+1㎝は、も考えられますが、2㎝+2㎝と区別が出来ません。どうやらこのへんに気を付けなければいけないポイントがありそうです。
4㎝は上記より、3通りですね。
さあ、問題は(3)です。
(2)をベースにして、(3)を考えることが出来なければ(4)は解けません。
先ほどの問題と同じように、何㎝+何㎝で作るかを考えましょう。
4㎝+1㎝、3㎝+2㎝、2㎝+3㎝の3つの足し算がありそうですが・・・
さあ、ではここから先は次回に種明かしをするということで、いったん宿題です。
今回はこのへんで(´∀`*)ノ