みなさん、こんにちは。清水栄太です。
夏期講習もいよいよ大詰め、皆さんとても頑張っているかと思います!
夏期講習の最後に、この夏に学んだことを復習する機会をしっかりと作ることも大切です。
残りの期間も気を抜かずに、体調管理もしっかりと行い、最後まで頑張りましょう!
さて、今回は中学受験の地理分野では頻出の「雨温図の見分け方」についてご紹介します。
以下の4つを順に確認していきます。
①:雨温図 基本の見方
②:6つの気候区分ごとの特徴
③:見分け方
④:差がつく!雨温図発展編
この4つをマスターして、雨温図を得点源にしていきましょう。
①:雨温図 基本の見方
雨温図というとこの形式が一般的ですね。
気候ごとの7つの雨温図の見分け方を説明する前に、まずは基本の図の見方を確認しておきましょう。
そもそも雨温図とは「ある地域の年間降水量と気温をあらわすグラフ」のことです。
まず、横の軸です。これは「月」を表わしています。
そして縦の軸は「降水量」と「気温」をあらわしています。
右の縦軸は100・200・300となっていますので「降水量」を表しています。
左の軸は「気温」を表しています。
ここで、ひとつ大切なポイントをお伝えします。
複数の雨温図を比べる際には、気温の下限値が揃っているかをしっかりと確認してください。
「0℃」が下限値の雨温図の中に、1つだけ「-10℃」などが入っているパターンなどがあります。
そして次は、帯グラフと折れ線グラフの表している内容です。
帯グラフは「降水量」、折れ線グラフは「気温」を表しています。
②:6つの気候区分ごとの特徴
それでは、次に見分け方について学習していきましょう。
ポイントを学習する前に、まずは6つの気候区分とその代表的な地点を確認しましょう。
A、南西諸島の気候…南西諸島?と思われる方も多いかと思いますが、これは九州南端~台湾北東部の島々(奄美大島や沖縄島など)のことをさしています。主に沖縄県がこの気候に属しています。雨温図として頻出する主な都市は「那覇」です。
この気候の特徴は、1年を通して気温が高く、降水量が多いことです。
ポイント①:平均気温は20度を超える。→11月~2月までの気温が下がりづらい。
ポイント②:7月~9月は台風による影響を受けやすい。
B、北海道の気候…雨温図として頻出する主な都市は「札幌」です。
この気候の特徴は、一年を通して気温が低く、冬は0度を大きく下回り、降水量が少ないことです。
ポイント①:梅雨の影響を受けにくい。→5月、6月の降水量が少ない。
ポイント②:冬は気温が0度を大きく下回る。
C、日本海側の気候…冬の北西の季節風により、冬に雪が多いことが特徴的です。雨温図として頻出する主な都市は「新潟」、「金沢」です。
この気候の特徴は、冬の降水量(雪が多い)が多いことです。
ポイント①:北西の季節風の影響で冬は雪が多く降る→降水量が他の気候区分とは大きく異なる
ポイント②:夏は比較的気温が上がりやすい。
D、太平洋側の気候…太平洋側の多くの地点がこの気候帯に属しています。雨温図として頻出する主な都市は「高知」などです。
この気候の特徴は、夏に雨が多く、冬は晴れて乾燥した日が続くことです。
ポイント①:梅雨、台風の影響を受けやすい→6月~10月にかけて降水量が多い。
ポイント②:冬は晴れて乾燥した日が続く
E、瀬戸内の気候…南を四国山地、北を中国山地に挟まれているため、1年を通して降水量が少ないです。
このような気候では干害が発生しやすいため、以前はため池を作り水不足に備えていました。現在は香川用水が作られ、吉野川から水をひいています。
雨温図として頻出する主な都市は「高松」「松山」などです。
この気候の特徴は、一年を通して降水量が少なく、晴れの日が多いことです。
ポイント①:夏は南東の季節風が四国山地に遮られ、冬は北西の季節風が中国山地に遮られるため1年を通して降水量が少ない。
ポイント②:気温は比較的温暖で、晴れの日が多い。
F、中央高地の気候…中央高地とは、富士山や日本アルプス周辺の高い山々が位置する、中部地方の標高の高い内陸部をさします。雨温図として頻出する主な都市は「松本」などです。
この気候の特徴は、1年を通して降水量が少なく、気温差が大きいということです。
ポイント①:降水量が少ない
ポイント②:冬と夏、昼と夜の気温差が大きい。→冬は気温が低くなる
③:見分け方
では、②で整理した気候区分ごとの特徴を活用して見分け方を学習していきましょう。
ステップ①:帯グラフのVのかたちを見つけよう→冬の降水量が多い→日本海側の気候
ステップ②:「へ」を探そう→気温の折れ線グラフの傾きが緩やか→1年を通して気温が高い→南西諸島の気候
ステップ③:一番寒い雨温図→1月・2月・11月・12月の気温が0度以下→北海道の気候
ステップ④⑤:雨が少ない二つは?
→冬の気温が高い→瀬戸内の気候
→冬の気温が低い→中央高地の気候
ステップ⑥:6月から9月にかけて雨が多い→太平洋側
(ステップ⑦:9月が突き抜けてる!?→尾鷲、大台ケ原山)
例外的な太平洋側の気候の特徴として尾鷲市などの雨温図が出題されることがあります。
④:差がつく!雨温図発展編
基本の形ではない雨温図をご紹介します
☆表による出題
例)下記はA~D地点の平均気温と降水量を表した表です。A~D地点の都市名を次のア~オから選びなさい。
ただし、不要な記号が1つあります。
ア、尾鷲 イ、札幌 ウ、新潟 エ、高松 オ、松本
[解説]
この形式になるとかなりややこしくなりますよね。
しかし、今までお伝えした②気候区分ごとの特徴をしっかりと覚え、表の見方さえ注意しておけば読み取ることは十分可能です。
まずは選択肢の地点の気候区分を確認します。
ア、尾鷲(三重県)→太平洋側の気候で降水量が多い
イ、札幌(北海道)→北海道の気候
ウ、新潟(新潟県) →日本海側の気候
エ、高松(香川県) →瀬戸内の気候
オ、松本(長野県) →中央高地の気候
次に各地点の表の特徴を確認します。
地点A→降水量に注目してみると冬の降水量が夏の降水量より多くなっていることが分かります。
地点B→平均気温に着目すると1月は0度を下回り、7月は23度と比較的高い傾向にあります。
地点C→地点Bと同じく降水量が少ないです。
地点D→6月~9月の降水量が他のものと比べて著しく多いです。
上記で説明した特徴から気候区分を考えます。
地点Aは 冬の降水量が夏の降水量を上回っていることから日本海側の気候であることがわかります。
地点Bは、降水量が少なく、気温差が激しいという特徴から中央高地の気候であることがわかります。
地点Cは、地点Bに比べて気温が高いです。降水量は地点Bと同じくらいであるため瀬戸内気候であることがわかります。
地点Dは、6月から9月までの降水量が圧倒的に多いことから太平洋側であることがわかります。また、9月にいたっては700ミリ近い(東京の9月の平均降水量は200ミリから300ミリ)降水量のため尾鷲であることがわかります。
☆折れ線タイプ(散布図)
地点A~Dが属している気候区分とそれに代表される都市を答えなさい。
[解説]
散布図形式の雨温図は、点の位置をもとに読み取っていきます。
縦軸は気温、横軸は降水量を表しています。
この図では「点」が読み取りのカギとなります!
「点」を始点として、縦軸と横軸をみることによって「平均気温」「降水量」が分かるようになっています。
では、順に読み取りを行っていきます。
・地点Aの図→降水量が多い時に気温が低くなっています。
ここから、冬に降水量が多いことが読み取れます。
冬に降水量が多くなるのは日本海側の気候です
・地点Bの図→平均気温が0℃を下回る月が3回あります。
そのため、冬の寒さが厳しい北海道の気候であることが分かります。
・地点Cの図→地点A、B、Dに比べて1年を通して気温が高いことが読み取れます。
また、平均気温が30℃近くまで高くなる月が3回あります。
以上のことから、南西諸島(沖縄)の気候であると分かります。
・地点Dの図→降水量が100ミリを下回る月が5回あることから、年間を通して降水量が少ないことが分かります。
最も寒い月で0℃を下回ることがあり、最も暑い月は平均気温が25℃とかなり気温差が大きいことが分かります。
以上の特徴から、中央高地の気候であることが分かります。
主な都市:地点A→新潟 地点B→北海道 地点C→那覇 地点D→松本
いかがでしたか?
気候の区分ごとの特徴をマスターすれば、形が変わっても応用して使うことができますね。
マスターした今回の雨温図や気候の知識を、産業(農業や工業)に活かせるとさらに成績アップができますよ!
今回は以上です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また次回お会いしましょう!