皆さんこんにちは!
国語科・社会科の清水です。
冬の寒さもいよいよ本格的になってきました。
毎年この寒さが入試シーズンの到来を感じさせます。
先日第48回衆議院議員総選挙が行われましたね。
その選挙に関連して、今回は多くの受験生が曖昧になる政治分野の分数についてお伝えします。
「3分の2」「10」「25」「30」「40」「60」…
さまざまな数字や分数を答えさせる問題が出題されます。
特に「3分の1」「3分の2」「4分の1」といった分数はかなり多くのお子さんが迷うのではないでしょうか。
今回の記事を通して憲法の分数をしっかり理解しましょう!
では以下の問題を見ていきます。
問題2:両議院は、各々その総議員の( )以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
問題3:法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の( )多数で再び可決したときは、法律となる。
問題4:この憲法の改正は、各議院の総議員の( ① )以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その( ② )の賛成を必要とする。
憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
≪答え≫
問題1:4分の1 日本国憲法第53条
問題2:3分の1 日本国憲法第56条
問題3:3分の2 日本国憲法第59条
問題4:①3分の2 ②過半数 日本国憲法第96条
問題1は憲法53条の条文です。この条文は
「内閣が必要に応じたとき」
「総議員の4分の1の賛成」
がポイントです。この2通りの方法で臨時国会を開くことができます。
さらに、この「4分の1」という分数は中学入試の社会では、この「臨時国会の開催」に関する問題でしか使わないということを覚えておきましょう!
問題2は憲法56条です。出題頻度は少ないですが覚えておきましょう。
ポイントは「総議員の~」という部分です。
3分の1という分数は、この憲法の条文以外に、地方自治の直接請求権に関する署名数の割合(議会の解散、首長・議員の解散)で出題されます。
問題3は「衆議院の優越」に関する規定です。
上位校や難関校を受験する方は、この分数だけではなく、法律ができるまでの流れをノートなどに図をまとめておくことをオススメします!
衆議院は「任期が短く解散もあるため民意が反映されやすい」ため、優越があります。
一度否決された法律をもう一度審議しますので、3分の2という多い割合になることをおさえておきましょう。
問題4は受験生であれば必ずおさえておきたい問題です。
最近では、改憲の議論がさかんに行われているため、ニュース・新聞などで多く取り上げられています。リード文などで新聞などを引用している学校は多くあるため、この96条の分数は要チェックです!
条文を詳しくみると「各院の総議員の3分の2」とあります。
数字に置き換えて考えると、衆議院は定数が465人とすると310人以上の賛成、参議院議員は
定数が242人なので162人以上の賛成が必要となります。
これだけ考えてもかなり多くの人数が必要ですよね。
さらに「国民投票で過半数の賛成」が必要ですから、日本国憲法はとても
変えづらい憲法(硬性憲法)なのです。
いかがでしたか。
このように、公民は単なる丸暗記ではなく「仕組み」や「意味」、「違い」をきちんと理解することが非常に重要です。
入試まで残り少なくなりましたが、少し時間をかけて「仕組み」や「意味」を意識して政治分野の学習を行えば正答率もかわってきます。
では、また次回お会いしましょう!
頑張ってください!応援しています!