皆さんこんにちは!
国語・社会科の清水栄太です。
今日からいよいよ埼玉入試がスタートしましたね。
受験生のみなさん、応援しています!
さて、今回は社会の記述についてお伝えします。
一昔前は、社会の記述は難関校や御三家などのごく一部の学校だけの出題でした。
しかし、近年は大学入試改革の影響もあり、レベルや偏差値に係わらず、記述問題は増加傾向にあります。
国語は記述対策本が数多く出版されていますが、社会はどうでしょう?
非常に少ないですね。
ご家庭での対策が難しい社会の記述について、
今日ご紹介するポイントを活用して得点アップにつなげてください!
基礎が定着してきて、後は記述を仕上げれば…という方はもちろん、
受験は来年だけれど、難関校合格のために今のうちから対策をしておきたい
という方も是非参考にしてください。
記述の種類
記述=書く問題と一括りにしてしまうのは禁物です。
一口に記述と言っても、じつは以下のように分類することができます。
「リード文併用記述」:リード文の内容を活用して記述する問題
「資料読み取り記述」:資料を読み取りまとめる問題
「説明記述」:社会科用語の説明する問題 暗記記述も多く、出題頻度は高い
「理由記述」:因果関係の理解や歴史・地理的背景が問われる問題 説明記述同様、出題頻度は高い
このように大きく5つの種類に分類ができます。
中でも今、中学受験で多く出題されている記述問題が、理由・説明記述です。
難関上位校では、資料読み取り記述やリード文活用型の記述が記述問題の大半を占めます。
出題傾向に応じて、それぞれの対策を行うことが理想的ですが、全ての学校についてご紹介はできません。
そこで、これらすべての記述に共通する、解答作成で重要なポイントをお伝えします。
「方向性」をさだめる
例題①
Aの人物は、秋の終わりから冬の初めに集中して関東地方へも出兵していました。どのような人が兵の多くを占めていたかを考えて、この時期をAの人物が選んだ理由を説明しなさい。
この記述問題を見たときに、よくある解答のパターンは…
「米の収穫時期で忙しくなる時期をさけるため。」
なかなか的確ですね。
ここまで書けたら上等!ではないんですね…
これでは、△です。
なぜ△なのかを振り返ってみましょう。
ここで設問の条件を整理します。
「② どのような人が兵の多くを占めていたのか」
「②この時期を選んだ理由」の2点。
ということは、この設問の指示のうち、②しか指示を満たしていませんね。
上記のように、複数の指示に気が付くことができていない。
もしくは、書き終える段階での確認ができていないことが△の原因だったわけです。
では、こういった原因での失点を防ぐためにどのように対策したらよいのか。
それは解答の「方向性」を定める力をトレーニングすることです。
このトレーニングを重ねて「方向性」を定める力をつけることで得点アップにつながります。
解答の「方向性」とは何か。
先程の問題で考えみましょう。
「方向性」とは、言い換えると解答の外枠のこと。
この外枠を設定できているかどうかが安定して記述で得点できるかどうかのカギです。
この設定があいまいなお子さんは不安定になりがちです。
この部分をしっかりと設定する力をトレーニングすることで記述の底力が向上します。
では、実際に挑戦してみます。
例題② この問題の「方向性」を書き出しなさい。
このグラフXは、1960年からの50年間の日本の自給率の変化を示しています。この変化はさまざまな理由があったと考えられますが、図1にもとづくと、どのような理由が考えられますか。
表2から読み取れる変化を明示した上で、考えられることを説明しなさい。
この記述の「方向性」は
「〇〇(表2から読み取れる変化)があったので、△△(図1から読み取れる理由)から。」
となります。
このように、余白に「方向性」を書き出しをさせるトレーニングをしてみましょう。
みるみるうちに書けるようになっていきます。
ちなみに余談ですが、上記の「方向性」〇〇/△△の答えにあたる部分は、それらに該当する資料がない場合、これまで学習した知識を使って解答を作成します。
図・表があるのにも関わらず、いきなり知識で答えようとはしないでくださいね。
以上、記述の点検ポイントでした。
このポイントを活用して得点を向上させましょう!
頑張ってください!
応援しています。