皆さんこんにちは!
国語科・社会科の清水栄太です。
2020年度入試受験生の皆さん、入試お疲れ様でした。
皆さん本当に良く頑張りました!
今回は、入試を終えたばかりの2020年度入試の社会科の傾向についてお話します。
今年度の入試は、倍率増加が著しい学校が数多くありました。
今後、難易度の大きな変化も予想されます。
2021年度入試では、受験校の戦略が非常に大きなカギを握るでしょう。
さて、社会科でも出題傾向に大きな変化がありました。
それは、記述問題です。
なかでも記述問題が幅広く浸透・定着した入試になりました。
これまで、社会での記述問題を解答数の大半を占める学校といえば、麻布中・武蔵中・海城中・駒東中などごく一部の限られた学校が中心。
その他の御三家レベルをはじめ多くの中学校で、1行程度の記述問題の出題が一般的。
多くは記号選択や語句選択が出題の中心でした。
ところが、2020年度入試では、偏差値や難易度に関係なく記述問題が数多くの学校で出題されました。
ここ数年、大学入試制度改革の影響もあり、記述形式での出題は増加傾向にあります。
さらに今年は、記述問題をその学校の定番問題に据えた学校が数多く見られました。
また、これまで記述を出題していた学校でも少し変化が見られました。
それは、解答の字数が30~40字程度から80字~100字へと増加していたことです。
こういった入試傾向を踏まえると今後の学習の進め方を見直して行くことが必要ですね。
単純なテキストの語句の暗記にとどまらず、内容の説明や因果関係、背景まで理解しておくことも重要です。
また、日常の問題演習において記述式の問題を取り入れた学習を進めていくことをおススメします。
では、なぜ記述問題が定番化したのでしょうか。
最大の要因は、やはり大学入試制度改革が挙げられます。
しかし、それだけでなく学校が求める生徒像の変化も大きく影響しているのではないでしょうか。
学校が求める生徒像が変化した背景には、社会の変化があります。
今後はAIやIoTなどの活用によって世の中が大きく変化すると言われています。
高度化した情報化社会の中で、将来AIやロボットに仕事を代替されてしまうかもしれないという不安が社会に大きく広がっています。
そういった情勢を鑑みて、学校側もこれまでの「暗記偏重型」の学習や、指示されたことを「こなすだけ」の学習では通用しないと考えたと推測されます。
中学受験で身につけた学習習慣はともすれば大学入試まで変わらないこともあります。
したがって、中学入試を通して「考える」学習を土台とした生徒や、習得した知識をどう使っていくかに重きをおいて学習する生徒が、学校としてもほしい人材なのだと思います。
採点者の負担が大きく増えるテストをあえて出題しているその意図(ねらい)は
やはり、その部分にあるのではないかと思うのです。
まずは、この傾向の変化を皆さんに是非知っていただきたいです。
そして、記述形式になっても難なく解答ができるような学習習慣を、学年が切り替わる今の時期だからこそ意識的に変えてみてはいかがでしょうか。
お子様からすると記述の形式は「難しい」というイメージが強いと思います。
しかし、記述形式の問題は難しいのではなく、単に手間がかかる(=面倒くさい)だけなのです。
難しいという先入観。
めんどうくさいという思い。
これらの域を一歩超えると、そこには、新しい社会科学習の楽しさが広がっています。
「考えながら学習することで、やり方を少し変えるだけで勉強は楽しくなるんだな。」
ということにいち早く気付くお子さんからどんどん伸びていく教科であるのも社会科の良さです。
皆さんも2月の新学年がスタートしたこの時期、新しい学年への移行期間の今
学習習慣や学習方法を少しずつ変えてみてはいかがでしょうか。
今後も学習法について発信していきたいと思います。
過去のブログも参考にしてみてくださいね!
【解き直しノート】
https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/shimizu/20180416.html
【できる状態を見極める3つのポイント】
https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/shimizu/20191024.html
【知識の「つながり」を増やして得点アップ!】
https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/shimizu/20190808.html
応援しています!
それではまた次回お会いしましょう!