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投稿日:2020年12月11日

テーマ: 社会

歴史の選択肢のワナを見抜く

皆さんこんにちは!

社会科・国語科の清水栄太です。

今回は、歴史の選択肢に隠された「ワナ」を見抜くポイントについてお伝えします。
歴史の問題形式の中でも定番問題の一つである、選択問題。
語句形式の問題に比べると、複数の知識を必要とするものが多いです。

過去問を進めている6年生、歴史学習が進行している5年生ともにぜひ活用してください。
では、早速みていきましょう。

問 鎌倉時代の農業や商業について述べた文として誤っているものを一つ選びなさい。ア 月に三回の定期市が開かれ、商工業者の同業組合である座が結成されました。
イ 草木灰という肥料を活用したり牛や馬を使った耕作、二毛作などが西日本を中心に広がったことで、農業生産が向上しました。
ウ 農村では、農民たちが惣村を作って村を自治するようになり、寄合を開いて話しを行いました。
また、借金帳消しを求めて一揆を起こしたりしました。

さて、この問題にはどんなワナが隠されているでしょうか。

気がつきましたか?
これらの選択肢は、選択肢で説明している文そのものには誤りがありません。

“誤っているものを選ぶ=間違っている部分がないか”
という視点だけで解くと、このワナに引っかかってしまいます。

 

では、何が違うのか?

 

それは、「時代」です。

「惣村」「寄合」「一揆」という部分から、これらは室町時代の説明になっています。
したがってウが誤りです。

〇×のみを考えるだけではなく、“時代のズレがないかどうか”を確認する視点を持ちましょう。

■選択・正誤問題を解くときのポイント
①時代のズレも確認する

 

では、次の問題にいきましょう。

問 奈良時代の仏教について述べた次の文のうち、誤っているものを1つ選び、記号で答えなさい。ア 聖武天皇は、全国に国分寺・国分尼寺の建立を命じ、都に国分寺の中心となる東大寺を建てた。
イ 東大寺の大仏づくりには、高度な技術をもつ渡来人の子孫が、工事の責任者に任命された。
ウ 遣唐使として唐から帰国した鑑真は、奈良に唐招提寺を開いた。

この問題に隠されたワナは何でしょうか。

 

それは、知らない用語、“習っていない用語”が入っていることです。

知らない用語が出てくるとつい選びがちですが、まずは、学習した知識で解ける選択肢から吟味していくようにしましょう。

答 ウ
鑑真は、遣唐使ではなく、唐からやってきた人物です。
  
■選択・正誤問題を解くときのポイント
②知らない用語を選ぶ前に学習した知識で内容を考える
 
では、最後の問題です。

問 明治時代の近代化政策について説明した文として正しいものを、1つ選びなさい。
ア 全国の田畑の面積や収穫高を調べ、共通のますを使って米を納めさせることで政府の税収入を安定させた。
イ 不平等条約の改正を目指して岩倉具視や西郷隆盛らを欧米に派遣したが、交渉は失敗に終わった。
ウ フランス人のブリューナの指導による富岡製糸場など、西洋式の製糸工場の建設が行われた。

 

さて、この問題に隠されたワナに気がつきましたか?
アの選択肢に注目してください。

そうです。
この選択肢、実は内容の“すり替え”が行われています。

「明治時代の初めに地租改正が行われて、財政が安定した」
という内容だけで覚えていると引っかかってしまうかもしれません。

しかし、この説明は豊臣秀吉が行った太閤検地の内容とすり替わっているのです。
この“すり替え”も選択問題の中では、よく見かけるワナですので、注意してみていくようにしてみましょう。
  
■選択・正誤問題を解くときのポイント
③内容の「すり替え」がないかを確認する
 
それではここまでのおさらいです。

・時代のズレも確認する
・知らない用語を選ぶ前に学習した知識で内容を考える
・内容の「すり替え」がないか

この「視点」をもって選択問題に取り組み、正答率アップにぜひつなげてくださいね!
応援しています!

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