皆さんこんにちは!
受験ドクターの清水栄太です。
今回は、都道府県の表判別問題における読み解き方についてお伝えします。
2022年度の入試問題の分析をしていると、表都道府県の読み取り問題を見つけました。
その学校は、西大和中学校(県外入試)の問題。
表の情報を整理し、都道府県を判別する問題です。
(イメージ図)
入試の中でも幅広く出題される問題形式です。
判別した都道府県をもとに、小問を解き進めるタイプの問題は、テストや模試でも出題されます。
しかし、この表問題、じっくり見ると
このような項目になっていました…
「道路合計舗装率!?」
「道路総延長!?」
人口や面積、農業生産額、工業生産額といった項目は定番です。
しかし、道路総延長や道路合計舗装率は見かけることがほとんどありません。
都道府県の表判別問題では、こういった初見の項目が出てくることも十分に想定されます。
こういった、項目の言葉に直面した時の読み解き方は
項目の言葉を①言い換えて②結果と③原因を考えることです。
では、この言葉を言い換えて、結果を考えてみましょう!
まず、道路実延長は「その都道府県の道路の長さ」と言い換えることができます。
次に、この項目が大きくなる/小さくなるとどうなるかを考えます。
道路の長さですから、当然大きくなればなるほど、道路が長いということが分かります。
最後に、どのような場合に道路が長くなるのか(原因)を考えましょう。
道路が長い都道府県として考えられることの一つは、面積が大きい場合です。
他にも、標高の高さや高低差も原因の一つとしてあげられます。
また、大都市などの交通網が発達している地域もこの値が大きくなることが考えられますね。
知らない項目を目にしたら、上記のように①言い換える②結果と③原因を考えて読み解いてみましょう!
では、今の読み解き方を使って、次の言葉を考えてみましょう!
■製造品出荷額
→①工業で生産された製品の合計金額
②(結果)この数値が高くなると工業がさかんであることを表します。
③(原因)工業地帯や工業地帯に含まれる都道府県の場合はこの数値が高くなります。
この他にも、輸送用機械器具も工業に関する項目です。
これは、自動車や二輪自動車の生産額を表したものです。
■昼夜間人口比率
→①昼の人口と夜の人口を比べた割合
②(結果)100よりも大きくなれば大都市、100を大きく下回る県は大都市の周辺県であること表します。
つまり、大都市から離れている県はこの数値が100に極めて近くなります。
③(原因)埼玉県や神奈川県は東京都のベットタウンとしての役割を担っています。
日中は仕事や通学なので都市部へ周辺県の人が移動します。その結果、東京都は日中の人口が大きくなり、周辺県は日中の人口が少なくなります。
■乗用車100世帯あたりの自動車保有台数
→100世帯(家族)が持っている自動車の台数を合計した数値
②(結果)原則は1世帯(家族)1台です。この数値が100を上回る地域は、車が生活における主な移動手段となっている地域です。主に地方部が該当します。
一方で、100を上回れば、鉄道やバスなどの交通手段が発達しており、主に都市部が該当します。
③(原因)人口が多い地域では、バスや鉄道といった公共交通機関が発達していますが、人口が少ない地域では、公共交通機関が都市部に比べて発達していないため、車での移動が主な手段となりますね。
では、最後に一問確認してみましょう!
以下の、ア~ウは秋田県、東京都、香川県の年間晴れ日数と100世帯あたりの自動車保有台数を表しています。次の中から、秋田県にあてはまるものを選びなさい。
① 言い換えて②結果と③原因を考えてみましょう!
解けましたか?
それでは、正解を発表します!
アが香川県、イが東京都、ウが秋田県となります。
100世帯あたりの自動車保有台数は上記の部分と同じです。
年間晴れ日数を言い換えると、一年間で晴れる日数ですね。
では、②(結果)を考えましょう。
日数が多ければ晴れの日が多く、少なければ雨もしくは雪が降る日数が多いということになります。
最後に、都道府県の特色とあわせて③(原因)を考えます。
秋田県は日本海側に位置するため、冬に雪が多いため晴れの日の日数が少なくなります。
したがって、ウが秋田県となります。
①言い換え②結果③原因の3つを意識して多くの問題に挑戦してみてください!
今回はここまで。
それではまた次回お会いしましょう!
応援しています!