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投稿日:2024年01月26日

テーマ: 英語

中学受験 英語入試の傾向 不可算名詞の捉え方

こんにちは、初めまして。
受験Dr.で社会と英語の指導を担当しております、白石 聡と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

東京・神奈川の入試解禁日まであと1週間を切りましたね。

 

近年、中学入試において英語の試験の導入が多くの学校で進められているのをご存じでしょうか。
首都圏模試センターの調べによると、首都圏の中学入試における英語入試実施校(英語の資格を所持し、受験当日に英語の試験を受けない受験も含む)は、7年前(2016年)の64校から、2023年の141校※(うち私立中140校・国公立中1校)へと大幅に増加しました。(出典:首都圏模試センター 英語(選択)入試導入校141校一覧)
試験の内容は各学校様々で、去年の帰国生入試でも多種多様な試験形式が見られました。

 

昨年の聖光学院中学校の帰国生入試の問題では、
・比喩が用いられている文を文字通り読み解いた場合の意味と、比喩を読み解いた場合の意味の2つを自分の言葉で説明する問題。(大問①)
・物語の長文の中で登場人物が取った行動の理由を、自分の言葉で説明する問題。(大問⑤)
・日本の幸福度が世界の中で下位に位置している理由を、自分の言葉で論理的に考察するライティング問題。(大問⑥)
など、学校によって対策が必要な問題形式があります。

 

その他にも、
・ライティング問題では、与えられたテーマに対し自分の体験を交えながら意見を述べる問題や指定された文に繋げて物語を作る問題。
・リーディング問題では、文法的・文脈的に間違った箇所を選択する問題、文章の中で使われている単語と同じ表現を選ぶ問題や簡単な計算を含む問題。
・スピーキング問題では、ペアワークで他の受験生と意見を出し合い1つの結論を出す問題や指定された文の音読とその内容にまつわる口頭試問。

 

また、大学入学共通テストの形式に似せた問題を出題するなど大学受験の入試改革の影響を受けている様に感じる学校も見られました。

 

さて、今回はそんな多種多様なライティング・リーディング・スピーキング問題のどれにおいても重要な可算名詞・不可算名詞について一緒に見ていきたいと思います。
可算名詞・不可算名詞についての問題は多くの学校が出題または問題文の中に入れており、落としたくない知識の一つです。

 

可算名詞とは数えることができる名詞、不可算名詞とは数えることができない名詞を意味します。
では、数えられない名詞とはどんなものがあるのでしょうか。3つの種類を覚えておきましょう。

 

➀物質名詞
⇒液体・気体、材料など決まった形を取らない物質の名詞を指します。
例:milk(牛乳)、rice(米)、money(お金)、gas(ガス)、salt(塩)など
ここでポイントなのはお金です。
100円、200円、4000円などと数えることができるように感じますが、moneyとは本来「何かと交換するために価値を持ったもの」を意味します。硬貨や紙幣のことを指すわけではないので数えられないというわけです。

 

②抽象名詞
⇒状態・動作・感情・学問の名前など抽象的な概念を表す名詞を指します。
例:kindness(優しさ)、love(愛)、science(科学)、help(手助け)、math(数学)など
抽象名詞は実際に目で見たり、触ったりできないものと捉えておくと良いでしょう。

 

➂固有名詞
⇒国名・地名・人名など、特定の場所・もの・人につけられた名詞を指します。
例:Ken(ケン)、China(中国)、Asia(アジア)、Osaka(大阪)など
固有名詞は名前の通り、固有なものであるため数えることができません。

 

次に紛らわしい不可算名詞を紹介します。
❶baggage/luggage
荷物という意味の単語です。日本語では荷物が1つ、2つと数えるため違和感を覚えるかもしれません。しかし、この単語を“移動するときに運ぶもの”と教わればどうでしょう。運ぶものがどういった形・大きさをしているかは様々で、一定の形を誰もが共通認識として持つことは難しいでしょう。この単語に対して、suitcase(スーツケース)は具体的なものの形を想像することができるため可算名詞となります。

 

もう一つ見てみましょう。
❷homework
皆さんご存じの宿題という意味の単語です。「宿題が4つある」のような言い方をしているお子さんは多いと思います。しかし、英語ではこの単語は不可算名詞になります。homeworkの定義は”work that teachers give students to do at home”(引用:Cambridge Dictionary)となります。つまり、“家で取り組むように先生から生徒に与えられるもの”という【性質】を指していることが分かります。一方で、a workbookやa reportなどは具体的な形を持っているので可算名詞となります。

 

いかがでしたでしょうか。
不可算名詞をただ覚えるのではなく分類分けして覚えることは、新しい単語を学習した際に必ず定着を手助けしてくれます。そして、分類するために単語本来の意味を調べてみるのもおすすめです。
可算名詞と不可算名詞の違いを知っておくだけで自分の解答に自信が持つことができ、点数に繋がるかと思います。
これから英語の試験がある方は是非一度目を通しておきましょう。

 

それではみなさんの成功を祈っております。